出版社内容情報
《支那事変》 ある中国青年の戦争体験
GHQによって廃棄、隠蔽された幻の“問題作”
100万部を超えるベストセラーとなった、「知られざる」戦争ドキュメントの名著が、現代に甦る!
中国兵士が自ら語った、中国軍の腐敗と略奪の記録
“南京大虐殺”のカギを握る「便衣兵」とは何なのか。
南京市街にあったという「死体の山」は誰が築いたのか。
日本兵は、一般市民に対して、本当に残虐なことをしたのか。
──こうした疑問に対する答えは、すべて本書の中にある!
僕はこの二度と得がたい戦争を記録しておく決心をしました。幸い、僕の耳にはまだ、
砲弾にやられた断末魔の人間の叫喚が残っています。腥い血の匂いが鼻に残っています。
バラバラになった人間の腕や、脚や、首や、胴や、そんなものが眼に残っています。
僕は書きました。僕の経験し、見聞せる範囲内においてのほとんど残らずを書きました。
戦争とはこんなものです。僕は神の如き冷静さをもって、純然たる第三者の立場から、すべてを客観し、描写しました。
(著者・陳 登元の手紙より)
GHQに没収・隠蔽され本とは
戦後、日本を占領したGHQ(連合国軍総司令部)は昭和21年、戦前・戦中に出版された7,700点を超える刊行物を「宣伝用刊行物」に指定。
これらを、個人宅と図書館を除くあらゆる場所から秘密裏に没収し、紙パルプに再利用するためとして、事実上の廃棄処分にした。
内容説明
GHQによって廃棄、隠蔽された幻の“問題作”。中国兵士が自ら語った中国軍の腐敗と略奪の記録。“支那事変”ある中国青年の戦争体験。100万部を超えるベストセラーとなった、「知られざる」戦争ドキュメントの名著が、現代に甦る!“南京大虐殺”のカギを握る「便衣兵」とは何なのか。南京市街にあったという「死体の山」は誰が築いたのか。日本兵は、一般市民に対して、本当に残虐なことをしたのか。―こうした疑問に対する答えは、すべて本書の中にある!
目次
塹壕生活
斥候
恐ろしき芋掘り
日本の恋人
慰労隊
仲間喧嘩
呪われた中隊
白兵戦
逃亡か投降か
中隊長帰る
李芙蓉
狼
ある日の夢
陣中の恋文
愛する者へ
卑怯者
雨の夜の祝宴
夢は予言する
少年兵の死
餓狼の集い
呪わしき戦争
著者等紹介
陳登元[チントウゲン]
中国・重慶出身。父親が親日家であったことから、10代なかばで日本に留学。その後、大学卒業を翌年に控えた昭和12年8月に本国へ一時帰国したところ、中国軍に強制徴募され、江南地方の戦線に送られた。2カ月間におよぶ日本軍との激闘ののち、重傷を負って戦線を離脱。収容された上海の病院を退院する直前に脱出すると、本書の原稿を一気に書き上げ、日本にいる別院一郎氏に送付した。その後の消息は不明
別院一郎[ベツインイチロウ]
著者・陳登元氏の留学生時代に日本語の個人教授を務めていたことが縁で、本書の原稿を受け取る。預かった原稿は大いに出版の意義ありと判断し、必要な訂正を加えた上で、昭和13年3月に、訳者という形で刊行した。戦後、GHQ(連合国軍総司令部)は本書を「宣伝用刊行物」に指定し、その結果、日本国内における、個人と図書館の蔵書を除くすべての本が、当局によって没収され、事実上の廃棄処分にされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。