内容説明
敗戦前の小学生はこんな日本史を学んでいた!格調高い大和言葉で綴られる神話由来の天皇を中心とした政治、文化。わかりやすく面白い「祖先と我々をつなぐ物語」。原書から再現。挿絵、写真、図版。
目次
神国
大和の国原
奈良の都
京都と地方
鎌倉武士
吉野山
八重の潮路
御代のしずめ
江戸と長崎
御恵みのもと
うつりゆく世
のびゆく日本
東亜のまもり
世界のうごき
昭和の大御代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
14
おすすめいただいた本。先の大戦、国民学校で使用された我が国最後の国史教科書。2021/05/26
aisapia
10
戦前の日本の教科書だなんて過激なのかな…と思っていましたが、読むと物語のようにひと流れに歴史がわかる。足利は欲深かったので~とか、〇〇はぜいたくが好きで~など人物を本当にいた人として感じられてこっちの方が歴史覚えやすかったな…。韓国って元は日本と仲良しだったの?!とか近代の内容については私の習った歴史とはかなり違ったのでそれも面白かった。基本的に天皇を敬う文章スタイルですが、これがこのときの価値観と思えばなんともない。GHQ作の教科書が今も使われてるからって正しいとも限らないし知識として知れて良かった。2022/04/25
ムカルナス
9
戦前の皇国史観による教科書の復刻版。南朝を正統とし室町幕府は朝敵、皇室の復興に注力した信長・秀吉を評価、鎖国で海外進出を止めた徳川は評価せず・・と戦前の歴史観が判って興味深い。戦後、皇国史観は諸悪の根源のように言われるが反省すべきは国策を誤ったことであり、皇国史観は欧米列強の中で生き残っていく精神的支柱として必要だったのだろう。偏った部分もあるが 昔の日本人なら知っていて当然の正成の話や平家物語の逸話も載っており、身近な旧跡も紹介されているので、現代へと続く歴史の連帯感や愛国心が育まれる教科書だと思う。2020/01/08
kenitirokikuti
7
昭和16年3月、尋常小学校が改組され国民学校が発足。それまで使われていた『小学国史』は改められ、昭和18年から本書『初等科国史』となる。翌年には一部修正版となる。昭和20年9月には黒塗りが行われ、昭和21年頭には国史が廃止、初等科国史も回収される。11月から『くにのあゆみ』。巻末の年表が西暦でなく神武の皇紀。皇紀2600年から2〜3年あと2021/11/27
がんぞ
5
「日中戦争」の事情説明、「英米の横暴」ではあるが、軍縮会議で海軍力が制限された不満は背後の経済力を考慮すると…/天皇スメラミコトは武門に権力が移行しても(神話的文化背景により)潜在的主権を保っていたのであり、源氏の再興は以仁王を奉じた正統性に端を発し、織田信長も皇室を尊重したから天下を取れた、というふうに説明する/楠木正成を忠臣とした勢いで足利尊氏は逆賊と糾弾するが、現在の天皇は北朝系。後亀山天皇が「足利義満の願いをお聞き届けになって、めでたく京都に還幸あらせられ…御位を後小松天皇におゆずりになりました」2022/02/27