内容説明
チベットには、心から平和を祈る人々は僧侶をはじめたくさんいた。しかし中国は、そんなチベット人を無慈悲にも、大量に虐殺したのだ。侵略の実態を知るチベット人には、「平和憲法を守れ」という声は、他民族による支配の現実を知らない人の戯言にしか聞こえない。「日本人には絶対に同じ悲劇を繰り返してほしくない」本書には、祖国を失ったチベット人の願いが込められている。
目次
第１章 私の原風景「六〇年代の日本」
第２章 チベットの悲劇と日本
第３章 失われた日本の文化、言語、国家観
第４章 「国際化」の流れの中で国際感覚を失った日本人
第５章 チベット人が見た覇権国家・中国
第６章 歴史問題と日本の自己責任
第７章 大東亜会議の意義
第８章 日本の難民問題と憲法改正
第９章 「おかげさま」の復興へ
著者等紹介
ギャルポ，ペマ［ギャルポ，ペマ］ ［Ｇｙａｌｐｏ，Ｐｅｍａ］
１９５３年、チベット・カム地方のニャロンに生まれる。１９５９年、中国軍の侵略によりインドに脱出。１９６５年、日本に移住。１９７６年、亜細亜大学法学部卒業。１９８０年、ダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区担当初代代表。拓殖大学客員教授、チベット文化研究所所長、アジア自由民主連帯協議会会長。２００５年、日本に帰化。著書も多数ある（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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しいたけ
110
とても、とても良かった。真の国際化とはどういうことか。国を守るという意思は、自分の国は守るべき価値があると思わなければ生まれないという。戦後の教育で、日本は悪いことをしたからやられても我慢するべきと染み込まされている国民性が悲しい。国土にズカズカと入ってきて勝手をされたら、国民を連れていかれたら、はっきり怒らねばならない。中立国スイスの軍事にかける国民意識を見習わねば。対話が成り立つという思い込みでチベットは侵略されたと著者は言う。実名バンバンで面白かったが、これ以上ここに書くのは怖ろしいのでやめておく。2019/09/18
スー
22
143筆者はチベットを追われ難民になり12歳で埼玉県毛呂山に留学し現在は日本国籍を取得していて、今の危機感の薄い日本にどうしてチベットが失われたかを解説して日本人に警告している本です。読む順番を間違いました、殺劫は紅衛兵が来てから始まりますが、こちらはそれ以前から説明されていてどうして貧しい人達から僧侶や貴族が吊し上げられたかよく分かりました。筆者が指摘するように確かに日本人は人が好すぎる国際社会では謝ればすむ話せば分かるの理屈が通じるとは限らない、世界に自分の主張を認めさせるには資料や証拠ではなく他国を2019/09/25
大奥のじぃ
6
国際情勢が揺れ動く今日、祖国を考え今の日本を国内外から冷静な分析力でチベットを失った著者が日本に悲劇を繰り返すなと叫ぶ痛恨の１冊である。読むべし、そして考えましょう。日本人の素晴らしさを末代まで。2018/04/28
Hiroki Nishizumi
3
参考になった。チベットの滅亡も大東亜戦争の敗北も当事者たちの意識と戦略の誤り。歴史に学び悲劇を避けよう。2018/09/20
ひろただでござる
2
日本人の持つ特性に一番疎いのは日本人だということ。この本文中で触れられている「おかげさまの精神」も「おたがいさまの気持ち」を持つ者同士でないと通用しない。国旗・国歌（君が代・日の丸）に敬意を払わないとか9条があれば戦争にならない（攻めてくる方にとってはそうだろう）とか宣う連中は周りにも存在するけど努力無しに現状維持はむりやろう。北京オリンピックの聖火リレー…長野での騒動を思い出せば何が必要か導き出せるはず。それは決して無抵抗・微笑み・9条ではない。2018/07/18
