内容説明
カプセル式新幹線から、160km/hの在来線特急まで。国鉄が思い描いた実現しなかった“未来の車両たち”の顛末
目次
第1章 電車編(夜行急行用の寝台電車構想;ロングシート・クロスシート変換車両 ほか)
第2章 気動車・客車編(ガスタービン車両による高速化計画;国鉄末期の新型ディーゼル急行・特急構想 ほか)
第3章 新幹線編(新在直通カプセル式新幹線;951形をベースにした250km/h運転モデルチェンジ車両 ほか)
第4章 機関車・除雪車編(貨物列車のスレーブコントロール;1970年代以降の機関車計画 ほか)
著者等紹介
富田松雄[トミタマツオ]
1973年山口県下関市生まれ。鉄道会社に入社後、駅員を経て車掌、運転士としての乗務を経験する。2014年に退職後、ライター・カメラマンに転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
10
日本の鉄道は、高度成長期後半からその末期にかけて、新幹線網の発展と在来線の有効活用、貨物輸送の活性化に結構な資源を投入してきたのだな、と、得心が行く。そんな、アイディア出しのブレストの断片のような計画から、試験車両まで建造し、試験を繰り返したが日の目を見なかった計画、数十年の間を置いて、現在にまでつながる計画など、技術開発の困難さを教えてくれた好著である。ただの鉄オタの占有物にするには惜しい本である。日本の環境では絶対に必要にならないものまで、研究していた鉄道工学の強さと厚みと凄みが伝わってきた。2021/04/10