内容説明
この本は、FLIGHTのタイトルで2019年に英国で出版された。大昔の鳥人間から、リリエンタール、ライト兄弟を経て、世界大戦での航空機の発達、超音速戦闘機やジャンボ旅客機が登場し、さらに計画されている未来機にもスポットライトを当てた、航空機の歴史書である。そして、飛行原理についても詳しく解説され、航空機がなぜ飛ぶのかも理解しやすい内容だ。このような内容の組み合わせは恐らく初めての試みであろう。初めてといえば、これだけデザイン的に凝った航空知識本も世界最初と言える。ビジュアルでわかりやすいこの本はまた、最初から読み進める必要がなく、どのページからでも読み進められ、宝石箱をひっくり返したような楽しさだ。
目次
第1章 飛行の基礎知識
第2章 進化する操縦法
第3章 安定性とは何か
第4章 抗力を知る
第5章 音速への挑戦
第6章 超音速飛行
第7章 新たな技術、そして未来へ
第8章 回転翼機の世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
8
機体デザインでは、世界初のダブルデルタ形式を実用化したスウェーデンのサーブ社がいつも気になる存在。本書で紹介するのは、デルタ翼(三角翼)にカナード(前翼)を付けたサーブ37ビゲン。先駆的技術に挑戦し実用化し、いつも独自の路線を選択し続けるスウェーデン空軍。山中のシェルターに格納され、高速道路からの短距離離陸を可能にする機体は、自主独立を象徴するような翼だ。それなのに、ウクライナ侵攻が、軍事同盟に加わらないことが地域の安全につながるとした国是を捨て去り、NATO加盟に向けて踏み出すきっかけを与えてしまった。2022/08/14
たかひー
2
★★★★ 図解、写真もそれなりに多く、飛行の仕組みや歴史が楽しみながら学べた。揚力の発生が音速を超えると別の原理になるというのは知らなかった。2021/11/11
Takahide✈Yokohama
2
イカロス出版の本らしく、写真とイラストが多くて分かりやすい。二次大戦中に爆撃で犠牲となった民間人数は日本とソ連で同じ(P75)と言うのは意外だった。推力/重量比が1より大きい戦闘機が少ない(P159)のも意外。気になったのはボルテックスジェネレータについての記載。「乱流の発生を抑えて剥離を防ぐ」とある(P170)けれど、「乱流を発生させることでレイノルズ数を疑似的に上げて層流剥離を防ぐ」のでは?あとMig-15がイギリス(P173)って…。2021/09/25
kaz
2
タイトルから多様な航空機の図鑑を想定したが、飛行の原理とその説明にちょうど良い飛行機をいくつかピックアップして紹介したもの。期待したような内容ではなかったが、それはそれとして眺めていると楽しい。図書館の内容紹介は『大昔の鳥人間から、リリエンタール、ライト兄弟を経て、超音速戦闘機やジャンボ旅客機、計画されている未来機までスポットを当てた、航空機の歴史書。飛行原理についても詳しく解説する』。 2021/06/08
KKKK
2
航空機図鑑というより飛ぶことの原理と歴史のビジュアル本 一般向けで超音速時の飛行について記載してるのは結構ない気がする デザイン重視すぎてわけわからん図版もあるけどヒコーキ入門本として個人的にベスト2021/03/20
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- 和書
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