出版社内容情報
機関車に牽かれて走る客車は、鉄道シーンで身近かにあった存在です。しかし、鉄道近代化とともに電車列車が中心となって、蒸気機関車などとともにその姿はいつの間にか見ることができなくなっています。そんな客車は、いまなお人気の車輌として注目度は高いものがあります。どちらかというとあまりに身近かに過ぎて、しっかりと記録されることなしに終わってしまったようなところもあります。ここでは「国鉄客車発展概史」として、明治時代からの客車の発展の様子を辿り、いまも見ることのできる古典客車から、最後の客車といわれる「軽量客車」まで、数多くの写真、イラストなどとともに記録しました。ほかに、貴重な木造軌道測定車の詳細写真や客車列車の華であった特急列車のようすなど、興味深いテーマで国鉄客車を語ります。
【目次】
内容説明
写真110点。
目次
特集1 客車列車の魅力(客車が忘れられない;客車列車の華「つばめ」;客車列車の真髄 ほか)
特集2 2輛の軌道測定車(オヤ19820とマヤ34)
特集3 国鉄客車発達概史(黎明期の古典客車;明治、大正の木造客車群;昭和初期の革新 ほか)
著者等紹介
いのうえ・こーいち[イノウエコーイチ]
岡山県生まれ、東京育ち。幼少の頃よりのりものに大きな興味を持ち、鉄道は趣味として楽しみつつ、クルマ雑誌、書籍の制作を中心に執筆活動、撮影活動をつづける。季刊「自動車趣味人」主宰。株)いのうえ事務所、日本写真家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
7
国鉄客車の本は形式面・タイプ別から見た車両についてこれまで鉄道ピクトリアルやRMライブラリーは言うまでもなく数多刊行されてきた。本書は形式面からの国鉄旧型客車の歴史については後半からのメインテーマとなるが、前半は著者の趣味による「珍車」の追いかけである。その中には木造の事業用車もあり、こういう車両は鉄道ピクトリアルやRMライブラリーでも殆ど触れられてこなかったといえる車両だ。人知れず消えていった木造の事業用車、しかし、とことんマニアックな物好きの著者にはやはり目の付け所が主要鉄道雑誌とやはり異なる。2025/10/27
えすてい
6
著者いのうえ・こーいちは、20系・12系以降の客車を好きになれないという。客車は旧客に限るとの主張。勿論50系も「やはり好きになれない」とのこと。旧客こそ至上とはいいながら、オハ31系より前の木造客車は「数多く撮影していないのが、いまとなっては悔やまれる」とある。木造客車はオハ60系への鋼体化でごくごくごくごく若干数の事業用車を残せば昭和30年代までにほぼ絶滅したから、いのうえでも撮影は難しかったかもしれない。それでも、学校からの帰り道に軌道試験車オヤ19820に偶然遭遇してそれを追い続け撮影したのだ。2025/11/03




