出版社内容情報
日本が第二次世界大戦の敗北で受けた大きな痛手から立ち直り、さらなる繁栄に向かって羽ばたき始めた昭和30年代。撮影者の小川峯生さんは近代化への先鞭をつけた当時の鉄道の旅をされた。
夜行列車に揺られて訪れた昭和37年早春の九州。蒸気機関車が牽引する特急やヘッドマークをつけた気動車準急。それらは現在の視点から考察すると特急、急行列車網が確立される前のすぐに消えゆく花火のような、はかなさを伴った過渡期の魅力的な情景であった。小川さんは特に路面軌道に注目された。各都市の路面電車には廃止されて現存しない路線が多い。また今日まで現役である電車でも、行先幕に記された停留場名が廃止路線のものであるなど、探求心をくすぐる写真がいつくも見られる。ページをめくるたびに、時間旅行を司る時計の針が1つずつ物語を刻む。
内容説明
秘蔵写真でよみがえる昭和の国鉄・私鉄・路面電車。
目次
鹿児島本線
西鉄北九州線
若松市交通局
西鉄福岡市内線
西鉄大牟田線
南薩鉄道
指宿枕崎線
鹿児島市電
長崎本線
松浦線
臼ノ浦線
世知原線
柚木線
佐世保線
大村線
長崎電気軌道
島原鉄道
熊本市交通局
豊肥本線
熊延鉄道〔ほか〕
著者等紹介
小川峯生[オガワミネオ]
1938(昭和13)年、東京・麻布に生まれ、都電と山手線に囲まれて育つ。10歳の頃から当時須田町にあった交通博物館の「子供科学教室」に通いはじめ、鉄道模型製作や鉄道写真撮影を開始して鉄道趣味に入る。高校に鉄道研究部があり、この頃から本格的な鉄道ファンになる。路面電車やゲタ電、ダイヤや車両運用、性能の研究、鉄道写真撮影を中心に活動し、現在までそれらを続けている。鉄道趣味誌への寄稿、著書多数。「鉄道友の会」元監事
牧野和人[マキノカズト]
1962(昭和37)年、三重県生まれ。写真家。京都工芸繊維大学卒。幼少期より鉄道の撮影に親しむ。平成13年より生業として写真撮影、執筆業に取り組み、撮影会講師等を務める。企業広告、カレンダー、時刻表、旅行誌、趣味誌等に作品を多数発表。臨場感溢れる絵づくりをモットーに四季の移ろいを求めて全国各地へ出向いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。