出版社内容情報
「5000万円で処女を売られそうになった。」
SNS上で衝撃の告発をした、元・舞妓のさらなる告白。
これが、花街の実態です――。
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《あらすじ》
美しい舞踊や唄で宴席に花を添える舞妓は、
日本が誇る伝統芸能の象徴的存在のひとつ。
そんな舞妓になりたくて、花街に飛び込んだ竹駒(たけこま)。
しかし、そこには華やかなイメージを覆す、
おぞましい世界が広がっていた?
年端もいかぬ舞妓に無理やりお酒を飲ませる客や、
胸を揉んだり着物を脱がそうとしたりする客で、お座敷はいつも乱痴気騒ぎ!
挙句の果てには、接客と称して、
男性客と混浴させられることもあって…。
こんなことをするために、私は舞妓になったんじゃない!!
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《収録内容》
第一話 十代の少女に酒を飲ませる街
第二話 セクハラ客の『粋な遊び』
第三話 女の園の陰湿ないじめ
第四話 舞妓が稼いだお金の行方
第五話 花街の世界の謎ルール
第六話 ヨソでは言えない置屋の秘密
第七話 舞妓はフケツ?
第八話 地獄の『お風呂入り』
第九話 旦那さん制度の闇 前編
第十話 旦那さん制度の闇 後編
コラム 竹駒さんのこぼれ話
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
38
数年前に桐貴清羽さんが舞子(中卒~20歳まで)として活動していた時に受けた様々な虐待を公にし、ぞっとしながらも(そんな世界だよな)と思いました。…20年程前に京都の友人に都をどり見物に連れていかれた時も、負の部分が気になったのを覚えています。…そう…あの頃はまだ、弱い立場の人に声がなかった。中卒でその世界に入った女性が、どのようにその世界に染まっていくか…抜け出せないシステムを「伝統文化」と言い切りたくないです。よく書いてくれました。2025/09/08
さとか
30
ちょっと前に京都の舞妓の奴隷的労働について告発した元舞妓さんの経験が原作。舞妓さんの殆どが中学を卒業し、社会の右も左も分からない時期から花街での修行を始める。舞妓を志す純粋な気持ちを踏み躙るような置き屋やお茶屋の仕打ちにぞっとしたし、若い彼女達に群がる大人たちも気持ち悪すぎた。。きっと、舞やお稽古への純粋な努力をする子ではなく、客のあしらいや化粧(魅せ方)の上手い子がのし上がっていく世界なんだろう。各花街も暗にランクがあるのでは。1番格式の高い祇園甲部でもこんな感じなんだろうか。続編もぜひ読んでみたい。2025/09/28
macho
11
「舞妓はお人形さん」どう解釈するかはヒトそれぞれですが、一部の富豪しか知り得ない内容をここまで知れたのは驚きですね。心に響いたのは「家族か家庭か健康を壊す覚悟がないお座敷遊びはできまへんえ•••」なんて、親切な女将さんなんでしょう。地獄に仏ですね。いや、極楽か。とはいえ、慣れなんでしょうが。慣れは恐ろしい。マンガでなければ重い雰囲気になるところでしたが、比較的後腐れなく読めました。要は江戸時代からある伝統芸能を扱う銀座高級倶楽部です。流石妖都です。いや、狂都か。芸妓さんは歴戦の猛者ですか、なんだろう納得。2025/09/30
oyoide
2
昨今の芸能界の性暴力やパワハラ事件と同じく、なんとなく薄っすら分かっているが、知ることを遠ざけてしまっていた事実だ。 なぜ私たちはこうした事実を知ることを遠ざけてしまうのだろうか。事実を知れば自分のしてきたことや思想を改めざるを得なくなるからだろう。そしてそれは途方もなく広い範囲にまで及ぶので、逃避のために思考停止になる。 花街では多くの権力者がそれを支えているからこそ、この搾取と暴力が無くならない。私たちは「文化や技術の継承」という言葉に惑わされることなく、こうした構造を変えなければならないなと思う。2025/06/03
mnaa
2
私は数年前に京都まで行って、京おどりを見に行った事があります。舞妓さん達の芸のレベルの高さとこれからの将来性に心から拍手をしました。この本では、その舞妓さん達の闇の部分を書いているので、読後感はあまりよくありません。知らない方が良かったかもしれないと思いました。京おどりを見る前に、コロナ禍で彼女達が芸を磨くためのお稽古に行けないと嘆いている様子が、テレビで放送されていました。若い大事な時期に身に付けた芸で生きる覚悟を決めた舞妓さん達には、こんな闇に負けないでほしいと思います。2025/02/17