出版社内容情報
もしも日曜の次の日が“自分だけの一日”だったら?(「日曜日の翌日はいつも」)
買ったマンションに前の持ち主が“同居”していて毎日規則正しい生活を送っていたら?(「ハミングバード」)
描いたものが動き出す“魔法の鉛筆”を手に入れたら?(表題作)
明日、あなたはこの世界に迷い込むことになるかもしれない――。海外でも高く評価された「ハミングバード」他、あたたかな筆致で描かれる、誰も見たことのない日々。
不思議のきらめきと日常の素晴らしさに浸れる短篇集。
内容説明
もしも日曜の次の日が“自分だけの一日”だったら?(「日曜日の翌日はいつも」)。買ったマンションに前の持ち主が“同居”していて毎日規則正しい生活を送っていたら?(「ハミングバード」)。描いたものが動き出す“魔法の鉛筆”を手に入れたら?(表題作)。明日、あなたはこの世界に迷い込むかもしれない―。海外でも高く評価された「ハミングバード」他、あたたかな筆致で描かれる、誰も見たことのない日々。不思議のきらめきに溢れ、日常の素晴らしさに浸れる短篇集。
著者等紹介
相川英輔[アイカワエイスケ]
1977年千葉県生まれ。西南学院大学大学院修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
102
六つの不思議なSF短編集。どの作品もこの先が気になる〜!という余韻を残して終わります。「日曜日の翌日はいつも」では終わらない孤独の恐怖を感じ、「ハミングバード」は"えっ!なんで?この先どうなるの?"が一番強かったです。繋がりのない短編集ですが唯一「星は沈まない」と「シュン=カン」は、ハッ!そういうことなのか!と、なんとなく繋がります。その後の想像が膨らむ本でした。面白かったです。#NetGalleyJP2023/07/31
ゆのん
76
6編から成る短編集。初読みの作家だったが、どの物語も面白く一気に読み終えてしまった。私が苦手とするSFもあったがとても読みやすくて自分でも驚く程にすんなりと、しかも楽しく読めた。『黄金蝶を追って』以外の物語は一つ読む毎に描かれていないその後を自分なりに想像すると少し恐怖を感じる。ハッピーエンドかと思いきや、『いやいや待てよ』とその後を想像させる不思議な力を持つ作家だと感じた。『星は沈まない』と『シュン=カン』の関係性にはすぐに気付いた。完結したと思っていた物語が再度動き出すのは嬉しい。他作も読んでみたい。2023/07/12
すしな
54
033-24.”すこしふしぎな”のSFとのことで、新しくて古い話の短編集でした。ある日突然非日常がやってくるような話が多いので、そこに踏み込んだ時、人は期待よりもやはり不安な強くなるのは納得できました。タイトルの”黄金蝶を追って”では、秘密道具を手にしたのび太くんのような展開ですが、コンプレックスって実力か運かわからないところに生まれて、研鑽を積んでいくうちに自分の目も肥えてくるから、いつまで経っても自分の実力が追いついていないように思うけど、実はもう超えているものなのかもしれないですね。2024/04/06
ざるこ
39
6篇。しっとり静かな読み心地で不思議の世界へ。AIや半透明の人ならざるものとの交流「星は沈まない」「ハミングバード」8番目の曜日「日曜日の翌日はいつも」魔法の鉛筆「黄金蝶を追って」異星の流刑地「シュン=カン」ノストラダムスの予言「引力」。SFともファンタジーとも言えるけど短編ながら濃密でリアルなドラマがある。どれも終わり方がその先を想像させて「あぁ、きっとこの後こうなったに違いない。」って確信めいて思えるとこに満足感がある。印象的なのは「シュン=カン」のラスト。人間たる剥き出しの感情を見た。大満足の一冊。2024/05/28
Shun
39
著者の作品は海外のSF誌で掲載され英語圏での評判を受け、遅れて日本での発表の機会が増えたという経緯があり逆輸入作家と表現されています。こういう形で出版の機会が増えるのは読者にとっても好ましいことですね。本作はSFに加え幻想系や日常系の物語を綴った短編作品を6点収録。表題作は日常×ファンタジーを描く。(「黄金蝶を追って」)魔法の鉛筆についての秘密を分かち合った二人の物語。少年は成長し親友との道は分かれても、少年時代に見た黄金蝶への憧憬は忘れることなく二人の絆は繋がっている。表題の意味が沁み渡る作品でした。2023/09/10