出版社内容情報
松本 エムザ[マツモト エムザ]
著・文・その他
内容説明
信号待ちの車にぶつかってきた老婆の叫び「どっちだ?」の意味とは…「道の先に」、公演初日を前に舞台に供える酒。翌朝、黒い濁りが…「演劇の神様」、鬼怒川の河川敷に打ち上がった鯉の口から言葉…「栃木の怪 其ノ参 忠告」、階段の踊り場の窓から見える光。そこにはある法則が…「夜、光る」、保育園の子供たちの口に上る存在しない子の名前。その正体とは…「園児は見た」、結婚に縁遠い女性。実家の雛人形を出してみると驚愕の事実が…「私のお雛様」、亡くなった同級生の家に線香をあげに行った帰り道に体験した奇跡…「君の名を」ほか、体験者の想いごと受け取って綴る全36話収録!
目次
道の先に
落ちていない
駐車場の彼女
演劇の神様
かつて表参道で
青山霊園三景
栃木の怪 其ノ壱 湖畔にて
栃木の怪 其ノ弐 石を抱く
栃木の怪 其ノ参 忠告
一抹の不安〔ほか〕
著者等紹介
松本エムザ[マツモトエムザ]
主婦業の傍ら小説を執筆。恋愛、ホラー、ショートショート、実話怪談と、幅広いジャンルのアンソロジーに参加。2019年、竹書房怪談文庫より初単著『誘ゐ怪談』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雨
25
そこまで怖さはない。主婦である視点から見る怪談は新しいと思う。2022/10/25
misui
6
派手さはないものの折り目正しい実話怪談という印象。変にオチを作りすぎず、錯覚や思い込みを許す包容力があるなぁと。地に足のついた話が多いのも身近なところからの地道な取材を思わせます。怪異への対処方法が微笑ましい「撫でる女」「ダンさんの教え」「換気推奨」、昭和の肝試しムードの「A君の弱点」、存在しない姉の記憶「おももだち」、震災怪談の「私のお雛様」、初恋の思い出「君の名を」。2023/04/14
qoop
6
オーソドックスな語り口で、派手ではないものの好印象な一冊。多様な怪異を扱う掌編を地域でまとめた〈栃木の怪〉、同様に、ガジェットにまつわる怪談〈機械怪〉、経験によるとはいえ独特でおかしみを誘う怪異の撃退方法を紹介した〈撫でる女〉〈ダンさんの教え〉〈換気推奨〉、理由はわからないけれど、何というか得心がいく〈魅せられて〉など。2022/09/01