出版社内容情報
ギャロウェイ・ギャラガーは天才科学者である。だが、彼はただの天才ではない。酔っぱらったときにしか才能が発揮されないのである。ちょっとしらふになったギャラガーには、酔ったときに造った発明品がどういうものなのかさっぱりわからない……。
鏡をうっとり眺め自分を愛でることが大好きな、ロボットのジョーに振り回され、大ピンチにおちいる「うぬぼれロボット」、ギャラガーが自分で造った意味不明の発明品の用途と自分が引き受けた三人の依頼人の依頼内容をどうにか突き止めようとする「Gプラス」、ギャラガーの庭に次々と死体が出現する「世界はわれらのもの」、本邦初訳の「エクス・マキナ」など、泥酔SFシリーズの全5篇を収録。
内容説明
酔えば天才、しらふじゃ凡才?酔いどれ科学者とうぬぼれロボットが巻き起こす珍騒動。初訳1篇を含むシリーズ全5篇を収録。
著者等紹介
カットナー,ヘンリー[カットナー,ヘンリー] [Kuttner,Henry]
1915年生まれ。デビュー作は怪奇小説だったが、SFやミステリ、冒険小説など、多くのジャンルの小説を幅広い作風で多数のペンネームを使い執筆。妻であるC・L・ムーアとの合作も多い。1958年死去
山田順子[ヤマダジュンコ]
1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徒花
103
おもしろかった!泥酔状態のときしか才能を発揮できない天才発明家が巻き起こすドタバタSFコメディ短編集。だいたい酔いがさめて目の前に正体不明の発明品が出来上がっているところから話がスタートする。キャラ設定が秀逸で、オツムの弱いモフモフ火星人とか、ナルシストなアンドロイド、孫同様の飲んだくれ祖父のほか、アクの強いキャラたちに対するツッコミ不在で淡々と進んでいく物語は私の好み。2023/01/31
コットン
81
正規の科学教育を受けていないにも関わらずアルコール漬けの時に突出した潜在科学能力を発揮するギャラガーはいろんなマシンを作るが「なぜ?どうやって?脳をひっかきまわして思い出そうとする。もちろんむだだ。何も思い出せない。彼の潜在意識は答えを知っているのだが…」という展開でドタバタが進行するSFチックな連作短編ユーモア小説でくすっと笑わせてくれる1冊。2023/03/29
kokada_jnet
63
1980年の講談社文庫『世界ユーモアSF傑作選1』の編者後書きで、浅倉久志氏が「本文庫でこのシリーズは刊行予定」と書いていたが。その後、講談社文庫が海外SF、海外ミステリの刊行自体をやめてしまったので、結局、40年ぶりにこのレーベルからの刊行となった。2022/01/12
たまきら
30
図書館新刊コーナーから。ぶっ飛んだ表紙に惹かれて。同じくぶっ飛んだ設定に大受けしてあっという間に笑いながら読んじゃったんですが、解説を読んでさらにぶっ飛んだのが…すべてが1940年代に書かれているということ!エーッ!しかも妹が大好きなブラッドベリが初期とはいえ作品を手助けしてもらっている…?いやはや、知らないことだらけ。意外と最近の緻密な設定よりもこういうぶっ飛んだSF作品が自分は好みなのね…。2022/03/14
みなみ
22
酔っぱらった時だけ天才になる科学者ギャラガーが、酔ったときに仕事を引き受けて作った発明品について、しらふの状態で使い道を推理するというドタバタSFの連作短編集。昔の作品だけれど古くさくなくて、面白かった。2024/04/28