出版社内容情報
覗いてはいけない闇からそっと引きずり出した恐怖を集めた実話集「異界怪談」。暗渠、底無、暗狩に続く黒史郎の人気シリーズ第4弾!
内容説明
ホラー作家・黒史郎の人気実話怪談シリーズ第4弾!駅で遭遇した熟年夫婦の口論を聞くと衝撃の事実が判明する「夫婦喧嘩」、家賃激安の事故物件で起きた凄絶な怪奇現象とは…「問題のある物件」、案山子代わりにマネキンの首を掲げる家、しかし其処にはもっと不気味なものが…「生首を飾る家」、とある浜辺で目撃した正体不明の異形「汚れた浜」、人ならざる存在が視えるようになった男、そのきっかけとなった戦慄の出来事とは…「その願望」等の恐怖譚を収録。昏い闇に照らされた怪異は、生々しい湿り気を伴い日常を抉りとる!
著者等紹介
黒史郎[クロシロウ]
小説家として活動する傍ら、実話怪談も多く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
274
生闇と書いて「なまやみ」と読ませる黒史郎さんの2021年1月刊行の作品集ですね。私事ですが昨年は仕事で疲れて読了しながら感想を書けなかった本が一杯ありまして今月から少しずつ書いていこうと思います。本書にはコロナ禍で取材が困難だった事も原因なのか曖昧な話も多くて何を書こうかと物凄く悩みました。例を挙げると著者が夫婦喧嘩の訳のわからない会話を偶然洩れ聞いて気味悪がる話だとかですね。私も竹書房の実話怪談本から少し遠ざかっている為に勘が鈍っていまして選択に自信がないですが、また徐々に調子を取り戻そうと思いますね。2022/02/01
HANA
65
実話怪談集。この分野に関しては安心の著者という事で、多少のユーモアも交じった怪談を楽しむ事が出来る。ただ文体の関係もあるのか、割とあっさりした話が多いようにも感じるけど。今回特筆すべきはやはり「島に居らば」かなあ。背後で何かが起きているのにその気配だけで、それが何かはわからない。やはりこういう事を書くのに一番適しているのは怪談で、それがまた何とも言えず怖い。「地下アイドルの災難」とかは内容が直球すぎて、読んだ後ちょっと茫然とするけど。とあれ総じてクオリティを保っている話ばかりなので、安心して怖がれます。2021/01/14
坂城 弥生
49
「生首を飾る家」の冒頭で畑にマネキンの首が…っていうのこないだTVでみたのでちょっと怖かった。TVでは明るく扱ってたので。2021/03/19
すしな
32
161-22.怪談って人生の縮図の様でもありますね。藁人形を興味本位で作ったという人とか、子供をスパンと足蹴にするお父さんとか、猫の死体の片付けを依頼してくる知り合いとか、お化けも怖いですけど、生きている人間も負けず劣らず怖かったです。そう言う波長が惹きつけるのかもしれないですね。2022/11/14
雨
18
生々しい。読んだ後にザラつくような感覚が残る。個人的に「問題のある物件」「なぜ豚か」が印象に残った。2021/01/30