出版社内容情報
大分、熊本、鹿児島、宮崎…南九州で起きた戦慄の恐怖・怪奇事件。神・霊スポットから妖怪目撃談までを網羅した南の実話怪談紀行!
内容説明
大分、熊本、宮崎、鹿児島、九州4県で目撃・体験された戦慄の怪異譚。岩肌に掘った摩崖仏を拝んでから始まる不幸の連鎖。障りを逃れるにはある儀式が…「決まりごと」(大分県)、植木の道路沿いに忽然と現れる古い駅舎。駅名すら刻まれていないそれは…「断片」(熊本県)、町民から何かがよっついちょる(寄り憑いている)と忌避される一家。興味本位で覗きに行った男は…「山間に沿う」(宮崎県)、島津氏の血を引くと言われるとある一族のみに伝わる禁足地。訪れると死が…「遠い親族」(鹿児島県)他、心霊から神仏、河童、謎の飛行物体まで恐ろしくも奥深い、摩訶不思議な南の実話奇譚!
著者等紹介
久田樹生[ヒサダタツキ]
作家。実話怪談蒐集家。徹底した取材に基づくルポルタージュ系怪談を得意とする。代表作に『犬鳴村 小説版』、『「超」怖いベストセレクション 怪恨』、『怪談実話 刀剣奇譚』(竹書房文庫)など。冬の「超」怖い話シリーズ及び恐怖箱アンソロジーの執筆メンバーとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
60
実話怪談。大分、宮崎、熊本、鹿児島と九州南部を舞台にした話が収められている。大分は北部みたいな気もするけど…。地霊を感じさせる怪談は大好物なのだが、今回は南九州限定という事で独特の風景や文物が透けて見えるようで非常に満足。さらにはそれに著者の独特の作風が加わることによって怪談と旅情という二つの要素が溶け合って見事なハイブリッドとなっているように思う。特に好きなのは著者独特の薄気味悪さが透けて見える「遠い親族」だが「人気のアパート」「海ば、見たね?」もとても嫌。南国の太陽の下での恐怖譚、堪能できました。2020/04/27
あーびん
30
大分、熊本、宮崎、鹿児島の九州四県の実話怪談集。摩崖仏にまつわる因縁話「決まりごと」、西日本の河童は中国大陸から渡来したとされる説は初耳「九州四県河童ロード」、島津氏の家系といわれるとある一族に代々伝わる禁足地の話「遠い親族」が印象的。摩崖仏は前から訪れてみかったけれど、人知れずにそういう禍々しいものもあるのかなと思った。2020/06/15
鷺@みんさー
28
怖いというよりは、不可解、結局なんだったのかよくわからない、奇妙、或いは単純に気持ち悪い等の系統が多い。UFOや河童の話が別枠で章立てされてるのは、作者の趣味なのか。土着民俗学っぽいものも若干あったり、ジェントルゴーストものもあったけど、全体的に「なんやようわからんけど、なんとなく不気味」な印象かなぁ。オチがつきそうでつかないものも多く、だからこその実話怪談なのだろうけど、スッキリしない。スッキリしないというのも、怪談の醍醐味の一つではあるが。2022/06/03
高宮朱雀
20
生まれも育ちも九州の私にとっては、知っているようで意外と知らない話も多く、読み応えがあった。普段、番組などで特集されてるような内容ではなく、もっと深く掘り下げられた物という意味でも良い。 今回は熊本、大分、宮崎、鹿児島にスポットが当たっていたが、自分の生まれ故郷である鹿児島のある家族の話には、どんな因果があって、こういう障りが起きるようになったのだろうかとドキッとした。 私の母方の親族には島津家の人間がいたと聞いているので気になる事ではあるが、ここはもう知らぬが仏だと意識を切り替えよう。2020/08/16
澤水月
13
戦争といえば西南戦争なんだなあ。沖縄とも異なり少し東北風味も感じる方言(河童の話もたくさん!)。スポット凸多2020/03/31