内容説明
怪談師として憑依的な語りで魅了する牛抱せん夏。自身の体験も含む43話の怪談を披露する。多額の借金を背負った夫婦の家に現れる着物姿の女とは「貧乏神」、とある因縁の心霊スポットに踏み込んでしまったために起きる惨劇「因果応報」、濁った瞳を持つアンティーク人形の怪異「ビスクドール」、昼過ぎなのに夜のように暗い家。何かがおかしい、そう感じたとき玄関に誰かが来た!「式神」など。ふとした日常にぽかりと口を開ける暗闇、誘われて踏み込めばもう戻れない。
目次
おじょうさん
犬
古着物
思い
ビー玉
ぬける
ナンバーワン
記念撮影
実験
畑仲間〔ほか〕
著者等紹介
牛抱せん夏[ウシダキセンカ]
2010年「稲川淳二の怪談グランプリ2010」にて優勝、女優業と並行して怪談師としての活動を開始。現代怪談から古典怪談まで幅広い演目を披露する。また朗読やこども向けの読み聞かせなども行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
178
今年2021年は丑年という事で今回は牛抱せん夏さんを選びました。女優業と怪談師と作家の三足の草鞋を履かれる才媛で素晴らしいご活躍ですね。作風は大仰でなく淡々としていながらも要所を抑えた書きっぷりで序盤はややスローペースでしたが、終盤になるにつれてエンジンがかかって来て本来の実力を存分に発揮されましたね。企業戦士の方には「明日は我が身」と身につまされる話。『明日は必ず』電気会社のシステム開発部で働く優秀な男性・坂田さんは職場で皆から慕われ信頼を得ていたが、最近ブツブツ独り言をつぶやき出し様子がおかしくなる。2021/01/01
眠る山猫屋
50
牛抱せん夏さんの実話怪談では『千葉怪談』よりこちらを推す。なんというか、雰囲気に“品位”が漂うのだ。えげつない話はホントにえげつないんだけどね。長年に渡って得体の知れない何かに憑きまとわれる『じゃない』とか、返品される『古着物』など怪異の周辺にいる人々の持つ違和感が怖い。そして『初恋のひと』の「卒業アルバムには載っていないけど、わたしのこと忘れないでね」という記憶の中の言葉。そんな切ないお話も、また良し。 2024/05/16
さりぃ
13
#実話怪談 呪紋 #牛抱せん夏 KindleUnlimitedで読了。 『ビー玉』『屋根裏部屋』『呉市の友』『桜の木』『担がれた友人』辺りが好みだった。 『担がれた友人』は読みながら寒くなった。零感なので本物かどうかの判定は出来ないが読みながら鳥肌が立って背筋がゾワゾワしたのは初めてかも。 話としては、めちゃくちゃ怖いわけじゃないんだけど…。2019/09/19
ぐりとぐら
11
興味深いのが多かった。後半の、樹海のやつと夫婦のやつは、特にぞくりとした。この方の書く怪談ははじめて読んだけど、他も読もうかな。2019/12/07
澤水月
10
エンジニア年末デスマーチの話、怪談以外のパートが怖い2019/03/31