内容説明
エストニアに赴いたモンク・コッカリスとキャット・ブライアントは、ジェームズ・スミソンが“悪魔の王冠”―琥珀の塊を採取した場所を探して、かつての通商路「琥珀の道」をたどる。グレイたちは伊藤隆志が率いるフェニックス研究所のハワイでの拠点に乗り込むが、逆に囚われの身になり、セイチャンを奪われてしまう。「オドクロ」と命名されたスズメバチを用いた伊藤の計画を阻止するために、モンクとキャットは東欧で、グレイたちは富士山麓で、オドクロを駆除する手段と寄生された人たちの治療法を探し求める。だが、驚異的な生命力を持つオドクロの根絶を目指し、アメリカ政府はハワイへの核の使用を検討し始めた。その間もグレイたちの、そしてセイチャンの残り時間は、刻一刻と少なくなりつつあった―。
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した『シグマフォース』を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
158
さすがはロリンズ。今回もサービス満点でぞんぶんに楽しめた。今回は日本の公安調査庁も事件に協力する。オドクロの謎もぐいぐい物語りに引き込んでくれるし、日本版シグマ!が開発した秘密道具も楽しい。ギルドが崩壊してから色々と新しいパターンを模索していた感があるシリーズだったが、イブの迷宮、モーゼ災い、と本作は結局は初期の作品に回帰したように見える。その分だけ安心してハラハラしながら世界の危機を楽しめる。 2019/03/25
KAZOO
114
下巻もあっという間に読んでしまいました。この作者の私にとって興味を持たせるところはかなりご自身も様々な勉強をしているということです。最後には正義が勝つというkとで安心して読んでいることもあるのですが、様々な分野について面白く解説してくれて勉強になります。琥珀街道とか塩の坑道についての解説などです。子犬ほどもある女王バチとはどのようなものでしょうか?最後は冷凍保存状態になってしまいますがそれが・・・。楽しめます。2019/04/27
みやこ
65
蜂の攻撃描写がホント嫌。全身に張り付かれてジワジワ食いちぎられるのはマジ勘弁してもらいたい。忍者、もっと頑張れよ、というのと、そこ共闘しちゃうんだ!という個人的不満もあって、上巻がとても楽しかった割には下巻でプラマイゼロ感。つまり、いつも通りの満足度に落ちつきました☆陰謀やアクションメインにストーリーが展開しても、恋愛や家族等々の生活感漂う描写が差し挟まれるから、彼らがより身近に感じられる。泣くことができたグレイは過去から解放されて新しい一歩を踏み出せるのかな。不穏な気配は付き纏うけど、今だけは平穏を。→2020/10/10
み
23
コワルスキさんの出番少なめだったからか、スズメバチだからか、下巻は何となく読了。因縁の彼女は、今後どうなるのかな?2021/09/18
Richard Thornburg
23
感想:★★★ 上巻でのスピード感は下巻に入って微妙な加減でブレーキがかかっちゃいますね。 ただ、寄生した幼虫の成長は止められないわけで、記してある日付と時間で時間の経過を感じるよりは「一齢」・・・「二齢」・・・と幼虫の成長度合いを使っているのは、逼迫する時間と不気味な恐ろしさが伝わってきます。 日本での描写にはやはり富士山に五重塔は必須なんですかね? 裏表紙カバーに桜があるので、ストーリー中に桜があればベタすぎたんですが、さすがにそれはありませんでしたね(笑) 2020/06/08