内容説明
怪異は古今東西、誰の身の上にも起こりうるもの―無国籍百物語の登場だ。代々守ってきた家で突然凶事が起こり出したのはなぜ?「忌み地」(22話)、結婚式で新婦側の友人が歌う祝いの歌に混じって聞こえてきたのは「不穏な言葉」(42話)、ロンドン東郊外にある林を散策していると見知らぬ男が現れて木の下を掘れと言う「指示する男」(62話)幼い頃の友人が夢に出て来た。気になり家を訪ねたら母親が「息子は死んだ」と言うが…「旧友の母親」(66話)など、極上の恐怖が待っている。
目次
傘を差す女
トランペット
AED
助けた女性
タキシードの男
歩行者保護
陸軍墓地
視界
家族葬
葬儀写真〔ほか〕
著者等紹介
丸山政也[マルヤママサヤ]
2011年「もうひとりのダイアナ」で第3回『幽』怪談実話コンテスト大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
169
丸山政也さんの持ち味はオーソドックスな正統派の怪談だなあと本書を読んで思いましたね。飛び抜けた驚きはない代わりに安定した満足感が得られるのが強みですね。それと半数近くがイギリスや外国を舞台に描かれた国際派で著者ならではの個性でしょうね。『昏い森』ロンドンのパディントン地区に住む女性エルマさんは夫と幼い双子姉弟の四人家族で愛犬を連れてエッピング・フォレストの森へピクニックに出掛ける。子供達が夢中で遊んで帰って来ると二人共全身が泥まみれになっていた。どうしたのと聞くと男の子と女の子と泥団子投げで遊んだという。2020/11/12
HANA
67
実話怪談集。短い話を畳みかけるように語り、異様な雰囲気を醸し出す手法は本書でも健在。ただこの手法は一話ごとの印象が弱まるという弱点も抱えているように思える。本書もネタ的に弱い話もあるが、この手の怪談には珍しい海外の話を多用して、その弱点を補っている。中には倫敦の幽霊案内のような話もあって、それは懐かしく読んだのだけれども。そういう意味では「黒い犬の幽霊」とか「ピーター・ハウスの怪異」が面白かったかな。著者は実話怪談において独自の地歩を築きつつあるようなので、これからもこの方向で頑張ってほしいものである。2019/03/11
はつばあば
50
読み友さんの「読みたい本」を検索したら、丁度kindleUnlimitedでありましたので先読みさせて頂きました百物語。ホラーはちょっと嘘っぽいというか作り物の文章の気配濃厚ですが・・これはねぇホンマものやから・・( ;∀;)。目が離せませんでした(^^;。2019/02/03
澤水月
23
イギリスを中心に海外での怪談がちりばめられているのが今回も楽しい。自殺者続出の心霊スポット「白い崖」で起きる怪異はまるで日本の東尋坊そのもの…だが映画「さらば青春の光」のラスト場面が舞台とあって、読んでる途中からあのクールな映画とTHE WHOの音楽…てかキースムーンの破壊的なドラム…が脳内に響きっぱなしに。とにかく一巻通じテンポよく進み幻想的な味わいの話もあって最高2019/01/31
さりぃ
22
#奇譚百物語 死海 #丸山政也 Kindle Unlimitedで読了。 あんまり怖い話はなかった。ちょっと残念。 外国の方のお話しが多くて少し拍子抜け。海外のお話だと、怖さが半減って感じがするかな。遠いせいかも?2019/03/11