内容説明
組織的な抵抗ができないまま戦力差に圧倒される米軍は、かろうじて敵を退けた通信施設を足がかりに指揮・連絡系統の回復を図り、一部復旧に成功する。わずかに光明が差したものの、圧倒的な戦力差は埋まらない。防戦一方のアメリカの劣勢は変わらなかった。猛攻を続けるソヴィエト軍により、ベルリンが陥落。逮捕されたネオナチのリーダー、フロミッシュは直ちに処刑され、その様子は世界に発信された。もはやソヴィエトの勝利は疑いようもない状況下にあって、アメリカ軍はなおも頑強な抵抗を続ける。業を煮やしたチェニンコ書記長は、ついに神経ガスと小型核の使用を命じる。欧州最大の航空基地を一瞬にして失ったアメリカ軍に打つ手はない―、ソヴィエト側が確信するさなか、アメリカ欧州軍司令部では起死回生の作戦が進行しつつあった。だがそれを完遂するには、あらゆる犠牲を想定した“時間稼ぎ”が必要であった。刻一刻と戦況が悪化する中、アメリカ大統領は最後の選択を迫られる…。大統領令発動―解き放たれる核の脅威。
著者等紹介
グラッグ,ウォルト[グラッグ,ウォルト] [Gragg,Walt]
テキサス州オースティンで妻や子ども、孫たちとともに暮らす元弁護士。ロースクール入学前にアメリカ陸軍で軍隊生活を経験し、さまざまな任務に従事。冷戦のさなかには、ドイツのアメリカ欧州軍司令部に三年間勤務している。この頃、ドイツ防衛時のアメリカ軍の作戦計画に関与し、数多くの演習に参加。『ザ・レッド・ライン―第三次欧州大戦』が長編小説のデビュー作となる
北川由子[キタガワユウコ]
翻訳家。英国ニューカッスル大学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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