内容説明
1939年。訓練を終えたヨーゼフはチベットへと向かう。イギリス軍の監視の目をかいくぐり登頂を目指さなくてはいけないが、同行するシェルパが揉めごとを起こすなど山に至るまでの道さえも険しいものだった―。現代。クインが発見したピッケルを狙い、謎めいたドイツ人骨董商、ネオナチらがうごめきだす。骨董商を訪ね詳しい情報を得たクインだったが、彼への復讐をもくろむサロンとピッケルを狙うネオナチからの襲撃を受ける。そして、彼は何かに導かれるかのようにふたたびエベレストの頂点を目指すことになる―。果たしてヨーゼフはエベレスト登頂に成功したのか?すべての謎は世界最高峰に眠っている…。
著者等紹介
ファージング,ハリー[ファージング,ハリー] [Farthing,Harry]
1963年生まれ。王立地理学会のメンバーでもある。不動産コンサルタントとして成功するかたわら、キリマンジャロの頂上を制覇するなど、登山家としても活躍。2010年にコンサルタントを引退して執筆を開始し、2014年に『汝、鉤十字を背負いて頂を奪え』でデビュー。現在はアメリカに移り住む
島本友恵[シマモトトモエ]
京都府出身。ロマンス、ならびにミステリーの訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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goro@80.7
58
これは是非映画にして欲しい。現代と戦争直前のエベレストを舞台に最後は綺麗に一つにまとめてくれました。エベレストから持ち帰った古いピッケルが語った愛の物語。エピローグはそうなるなと判っていても、そうなって欲しいと、それ以上のものになってウルウルしちゃいました。デビュー作それも自費出版から始まったとの話だそうでビックリ!山岳ものをお探しなら読んで損なしです。あぁ映画で見てみたい。2022/02/15
Panzer Leader
41
WWⅡ開戦前と現代の二つの時代を舞台にした山岳冒険小説なんだけど、現代編がちょっと余計というか浮いてしまっている感じがして、うーん惜しいなあという出来。それでもいつもの如く卑劣さ満載ヒムラーの策略や味方からさえも見捨てられた山岳猟兵部隊の兵士ベッカーが生死を賭けてエベレスト登頂を目指す熱い心意気、その困難さが良く描かれている。駅の階段昇りでもままならぬ老体の自分にとっては、登山などする人はもう雲の上の人、それだけで尊敬に値します。2019/12/31
MatsumotoShuji
3
ところが……、主人公が山から下りてくると木から下りたサル状態。その銃撃戦、要る? 執拗な殺し屋も恐ろしいというよりも、「うざい」だけ。テンション下がりまくりで、あーあ、タイトル負けかあ、と思ったら、最後にやってくれました。やっぱり山屋は山に登ってなんぼだなあ、ということがよく分かるお話。それにしてもタイトルがすごい(もういいって)。2018/06/19