内容説明
妙なことばかり起こる、買ったばかりのマンション。友人のアドバイスを聞いたらそれは治まったけれど…「祀ったもの」、流星群が流れる夜空を父親と見上げていたら突然現れた!「星空と知らせ」、心霊スポットに行ったけれどなぜか入る気がしない。結局友人たちを待つことにしたのだが…「肝試しの結末」など。命懸けで怪異を蒐集してきた小田イ輔、その暗黒に憑りつかれていく!
著者等紹介
小田イ輔[オダイスケ]
宮城県出身。職を転々としつつ東北地方を彷徨い歩いては、その土地の人間に訊ねて怪談を蒐集している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ラルル
24
良いですね~絶妙です。この方の怪談って予想している結果(王道)から角度27度ぐらい裏切られる感じが何とも言えずワクワクします。面白い2018/11/28
澤水月
24
二分の一 自殺成功に胸が締め付けられ、著者の深い優しさも感じた。前話からの繋がりも巧い。終盤の「諦める」当たり屋の「生きがい」、パチ依存の「運の調整」と畳み掛ける構成も凄み。実に面白く恐ろしかった2017/07/03
うさっち
22
結果的にいい話だけど実際あったら怖い「おばあちゃんの電話」、怪異でも怪異じゃなくても怖い「脱衣所にて」など、楽しめた。2020/12/27
pulpo8
21
やっぱり小田イ輔いいなぁ。「楽しかった思い出」「返事」「誰かとの約束」怖くはないんだけど、不思議なノスタルジーがあって心に残る。「梅で待ってる」「おばあちゃんの電話」は私の好きな小説としても読める実話怪談で、SFも切なさも感じるし、怖さもあるしで絶妙。「金縛りに関して」魂の新陳代謝という発想が興味深い。「二分の一自殺成功」これは沁みたなぁ。他人事とも思えない。「脱衣所にて」ちなみにこれがベストで怖かった。私の恐怖センサーがビビッと反応した。こういう秘密結社の隠蔽工作(と思った)みたいなのは大変怖い。2017/10/12
柊よつか
18
常に奇妙で不安が付きまとう怪談集。怪異が真っ向から姿を見せれば恐怖だろう。だが影は見えるのに姿が見えず、明らかに異常なのに気のせいや偶然を疑いたくなる、不安な距離感。面白かった。特に印象的な話は、どれが本物か分からなくなる「楽しかった思い出」、家電から事切れていく「返事」、悲しい過去がめくれていく「きづげばが」、なるほど量の問題…「名水の成分」、妙だが可愛い「Yちゃんと紙」、新たな見解の「金縛りに関して」と「二分の一 自殺成功」、よく分からないが一番怖かった「脱衣場にて」。2017/07/03