内容説明
実話怪談単著デビューから六年、1000話以上の怪談を送り出してきた黒木あるじの初のベスト傑作選がいよいよ登場!厳選された最恐の59編と書き下ろし6編を収録。どこまでも冥く底が見えない怪異を描く怒濤の黒木ワールドを、これでもかと堪能できる珠玉の一冊。
著者等紹介
黒木あるじ[クロキアルジ]
2010年『怪談実話 震(ふるえ)』で単著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
実話怪談集。数多いる実話怪談の書き手の中でも名を知られる著者の傑作選というだけあり、どの話も安定した出来を誇っている。そしてこの裾野の広さ、怪談らしい怪談から奇妙な話、著者の身に降りかかった出来事までバラエティに富んでいる。にも関わらずこの出来。あと著者の怪談を読み返して思ったのは、やはり書き方の上手さ、怪談を調理する上手さが卓越しているなと。解説の平山夢明の怪談論とエールも卓越。迷いもわかるけど実話怪談好きとしては、今後とも著者の怪談に触れていきたいのです。それにしても「邂逅」が色んな意味できつかった。2016/06/20
澤水月
33
再読に堪えるの多く味読。一部読メ利用者と被るかもしれないある層にキッツい話あり悶絶。平山夢明が解説で愛弟子のため一肌脱ぎ昨今珍しい真面目な怪談論を書きダメ怪談を斬っている! 全て漢字二文字だが海老、虐目、刺青、椿庭…忘れられない。つくづく取材の状況含みで書くスタイル、面白い。普段傑作選買わない方だがコレは買い2016/06/09
ネムコ
14
ベスト集。厚いけど。正直、三分の一は既読だった。2018/12/21
アルカリオン
11
KindleUnlimited 「実話」怪談としての質が本当に高い。ディテールとかこぼれ話に施されている工夫がリアリティを高めている▼「話を考えて、書くのが本当にうまい人だな~」と思いながら読んだ。そうやって、創作だと自分に言い聞かせながらでないと、怖すぎて読み進められないという事情もある▼文庫本の「解説」は完全に蛇足だというのが相場だが、平山夢明氏による本書解説は端的で内容のあるものになっている。「神の味噌汁」がオヤジギャグなのか、誤植なのかが判断できなかったが。2021/06/17
三柴ゆよし
11
あの平山夢明が「わかってる」と太鼓判を押すだけあって、クオリティの高い実話怪談集(読みはじめて気付いたが本書は傑作選とのこと)。何作か、読んでいてちょっとありえないレベルの寒気をおぼえた話があり、一人暮らしじゃなくてよかったと心底安堵した。派手な技巧をひけらかすタイプの書き手ではなく、語りのアトモスフィアを最大限生かしつつ「恐」に至るステップを絶妙に踏んでいく。とても上手い人だと思う。2021/02/15