竹書房文庫
魔刻百物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784801906785
  • NDC分類 147
  • Cコード C0176

内容説明

怪談蒐集団の書記である伊計翼が『怪談社実話怪談師の恐怖譚』から『終の章』までの十干シリーズから極上の怪談を選出し加筆修正、そこに新たな五十四話を追加した全九十九話の怪異集。老婆が目撃した青年の怪、仲の悪い姉弟の家に現れたモノ、金を盗んだ男に忍び寄る恐怖、虐待から逃げた少年に起こった不思議、―昭和から平成にかけて発生した怪異の数々は決して他人事ではない。

著者等紹介

伊計翼[イケイタスク]
怪談蒐集団体の書記を務めており、怪異を記録し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

53
実話怪談集。こういう短い話を畳み掛けてくるスタイルは結構好き。話数が多いだけに次から次へと読んでいくうちに、言葉にできない雰囲気のようなものが蓄積されていく。日常の中ですれ違う、そこはかとない「嫌」を描いた話が読んでいて面白い。話数が多いだけあり、全体的にレベルが高いがどこかで聞いたような話も多い。隣の部屋の声とか、肝試しの帰り一人だけ見捨てられる話とか。あと最後の一行できちんと閉められている話も多く、著者のレベルの高さが伺える。何よりダラダラとしたところが無く、全体が引き締まっているのが素晴らしい。2016/07/14

J7(読メ低浮上中)

44
読メ感想内で好評だったので購読してみた一冊。この本に載っている話全体からは怖い以上に、京極夏彦先生風に言うとなんだか“厭な”感じがすると思うものも多かった。その厭さはなにから来るかと言うと例えば十七話、四十九話、六十六話なんかは、話の背景に邪な存在が見え隠れしていそうなところだ。他にも十話、九十七話にはある日突然、理不尽に仇なしてくる異形の姿にゾッとする。これは著者の伊計翼さんの特色なんだろうか。どことなく中山昌亮『不安の種』に通じる、日常の中に紛れた違和感と捩れた不快感を個人的には味わえた怪談本だった。2016/07/04

みくろ

38
いろいろな怪談本を読んでいるが個人的にかなり上位となる作品群でした。とにかくオチの一文がうまい。説明的すぎたり、逆にあっけなさ過ぎたり、怪談を書くというのは簡単そうだが逆に難しく奥深いもの。この怪談集はその按配がうまく、最後にゾっとさせるこの手の最大の楽しみを堪能させていただきました。個人的には第八話、十一話、十九話、三十三話、八十五話、九十七話が怖かった。特に三十三話は、今まで読んだ中で一番怖いと思ったかもしれない。思わず「えっ」と声が出て二度見してしまった。はっきりとした怪異よりこういう手の方が怖い。2016/06/02

澤水月

28
伊計さんは明らかに途中で筆力上がり怪談社シリーズで構成も良くなったので、題名すら剥いだごろりと並ぶ生のままの怪談群は素晴らしい。竹やぶでの機銃掃射の話は何度読んでも息詰まるし、その他も過不足なく後日譚あり良い。一つずつが短く、何年に聞いた話かはっきりしているため時代背景も話者の気質もわかり誰にでも勧められる。半数以下が再録だが加筆修正。2016/04/05

ラルル

24
海から手が出て来る話がまさかの意外性で面白かったです。だって海から手が出ると言えば普通はねぇ…。 後半に向けて短編がさらに短く畳み掛けるように進み、サクっと綺麗に読み終える事が出来ました。ここまでなら本当に綺麗だったんだけど… 後付の福澤さんの怪談…これ居る? せっかくスマートに終わったと思ったのにダラっとしたムードの違う小話。ちょっと残念な付け足しに感じてしまいました2016/07/13

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