内容説明
内に秘めたる怪談魂がほとばしる、新たな世代の書き手・葛西俊和の初単著。とあるビルの警備員室に置かれてるのは…「御祓い箱」、解体跡から出てきた禍々しいモノ、それを…「解体業」、料理人が絶対に人に貸さない包丁の謎とは…「包丁の性格」など、生々しい現場での怪異の声が今ここに収録される!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
146
本書には身の毛もよだつ恐怖怪談だけではなく締めで心を癒やされる話も入っていて大満足でしたよ。気持ち悪い話の連続でもこういう風に最後に少しでもホッとさせてもらえるとありがたいなと思いますね。『包丁の性格』は料理人が絶対に貸さない包丁をついうっかり厨房に置いていたら他の人が使ってしまい、包丁には魂が宿っていて勝手に動き回って指を切断しようと暴れたという真にえげつない話。『雪降る夜』はクリスマスの夜に立ち寄った公園にいた奇妙な少女に導かれて行ったある家で育児放棄され衰弱した女の子が見つかって無事に助けられた話。2020/04/15
澤水月
27
りんご(農園)系、サンスケ人形など青森土着の話は非常に興味深かった。当たり前だが東北でも色々違うんだなぁ…これからはりんご怖いかも。人間椅子BGMに読みたい。保護室の動物、双眼鏡、眠り鳥が余韻ある。拾い物でした2015/12/30
奈良 楓
10
【〇】良かった。2019/06/28
とんぼ
10
「受け取り拒否」荷物ってある意味怖いな。「未明の着信」この全くわからないキモチワルさ。「サンスケ」土着の怪談って味があるよね。「解体業その弐」神様系にハズレなし。「回送電車」臨場感が半端ない。「けむり」供養をケチっちゃいかんね。「包丁の性格」蠱惑の刃物。すごい色気を感じるわ(笑)。「おまえはあっち」迷い込んだ系の話って好きだわ。「保護室のお客さん」ほっこりするけど、切ない話。「虫の知らせ」これ以上のぎゃー!はないでしょ…(ブルリ)。「雪降る夜」クリスマスってところがミソだよね。情景が美しい。2016/06/15
王天上
10
怖いより厭が先に立つ殺伐とした作品の多い最近の実話怪談界において、爽やかな読み心地の一冊で一息ついた気分。今後に期待します。2016/06/06