出版社内容情報
「百物語」シリーズで人気を博した、平谷美樹が竹書房のホラー文庫に登場!
内容説明
話し手の語る怪談を忠実に記録し世に送り出す―怪談実話界の名コンビが贈る珠玉の怪談実話集。この世ならざるモノが視えるサトコさんの10代から30代までの体験をつづる「学生寮の金縛り」~「もうひとりいる」、“カミサマ”と呼ばれる霊媒師から聞いた自分の前世と旅行先での出来事「知っている町」、育児疲れの新米ママの前に現れたのは…「生き霊」、実家の仏壇に祀られているお地蔵さまの掛け軸、その訳とは…「お地蔵さま」など全45話。
目次
怪談会の怪
怒る仮面
合宿
午後十一時の金縛り
階段から来るもの
学生寮の金縛り
お盆
体質
もうひとりいる
家の中の些細な出来事〔ほか〕
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
2000年『エンデュミオンエンデュミオン』で作家デビュー。同年『エリ・エリ』で小松左京賞を受賞。14年『風の王国』シリーズで歴史時代作家クラブ賞・シリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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悪趣味な本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
138
ハルキ文庫の怪談実話シリーズ12冊の名コンビが贈る竹書房版の新作怪談集です。本書の中で一番怖いのはカバーイラストなのではと思う程に「怖くない怪談」のイメージがすっかり定着していますが、それもまた大人の風情の落ち着きがあっていいじゃないかと思いますね。『テントを叩くもの』今から20年程前の事コヤマくんが恋人のカナさんと古い山城跡のキャンプ場に行く。日が暮れると共に雨が降り出しキャンプで二人がくつろいでいると急にバンバンバンッと叩く音がするが外には誰もいない。その地には人柱にされた娘達の霊が今も彷徨うと言う。2020/09/10
HANA
51
実話怪談集。この人の怪談は他と違い、誠実な人柄が滲み出ている。ただ、それが怖さに直結するかというのはまた別の問題であるのが悲しい。読みながら何となく昭和の心霊と科学が直結している様な、疑似科学的な、どことなく中岡俊哉的な懐かしい感じを思い出した。他の実話怪談と違い、幽霊が日常と同じ地平のどこかに佇んでいる様な語り口がそう思わせるのかな。それ以外だと虫の知らせみたいなものも含まれているが、それもどこまでが勘違いなのかというような茫漠とした雰囲気に包まれた話ばかり。今まで同様、何か安心する話が多かったなあ。2015/04/03
chatnoir
22
本人曰く、怖くない実話怪談。でも、出どころははっきりしているものばかり。家人を守るため他人を寄せ付けないお面、凄いなぁ。市井で料金を取らない〝カミサマ”の前世視も面白かった。お地蔵様=閻魔様という宗教感と臨死体験が混ざった話も面白かった。このかたのお住まいが東北のため、重たい話もあった。2018/05/13
澤水月
17
まず告知段階からびっくり、角川で12年続いた実話怪談の区切りをつけた…と思ったらまさかの竹移籍。「怖くない」と前書きで言い切られてるし…でもカミサマなど東北土着ものは俄然面白い。岡本氏とはどう書き分けてるのだろう。スケートでき桜名所の池のほとりにある北の図書館を特定したい2015/03/03
mizuha
16
平谷美樹さんの実話系怪談は怖くない。ご本人もそうおっしゃるのだけれど、本当にそうだろうか?余計な物を付け加えず、読者を脅かそうとする意志のない語り口は、淡々として穏やかでさえある。だからこそ日常に紛れる怪異こそ恐ろしい、と私などは思うのだが……。2015/08/05