内容説明
五人の書き手が紡ぎだす、この上なく贅沢な恐怖に彩られる『怪談五色』第二弾!怒濤の実力派たちによる五芒星の真ん中で、存分に怪異を全身に刻み付けろ!
著者等紹介
黒史郎[クロシロウ]
2007年、『夜は一緒に散歩しよ』で第1回『幽』怪談文学長編部門大賞受賞
朱雀門出[スザクモンイズル]
2009年「今昔奇怪録」で第16回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞
伊計翼[イケイタスク]
大阪・十三から東京・四谷に活動の拠点を移した実話怪談蒐集団体「怪談社」。専属書記として怪談の記録と執筆を担当
黒木あるじ[クロキアルジ]
2009年、第7回ビーケーワン怪談大賞佳作受賞。同年、第1回『幽』怪談実話コンテストで「ブンまわし賞」受賞。『怪談実話 震』で単著デビュー以降精力的に執筆している
つくね乱蔵[ツクネランゾウ]
「超‐1/2007年度大会」で才能を見いだされ、2008年『恐怖箱 蛇苺』で共著デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
236
実力派の人気実話怪談作家5人によるアンソロジーで先に結論を言いますと私は本書のトリのつくね乱蔵さんが他の方を凌駕する別格の大横綱だと思いますね。もう半端ない厭らしさとブラックさで8編の全てが素晴らしい出来ですよ。でも一人だけではよくありませんのでもうお一方を紹介しますね。『めし』朱雀門出:あるグルメサイトに辺鄙な場所にあり小さくて汚い感じだが美味しい親子丼を出すという店が載っていて彼は行ってみようと決心して出掛けた。そこは見た目が廃墟その物のビルなので大丈夫かと不安だったが、店名を書いた貼り紙を見つけた。2022/04/04
HANA
50
実話怪談集。五人の共作という事で、それぞれの特色が出ていて面白いと思う。何より良かったのは伊計翼の日記の話。エッセイ風に始まり、日記の内容を読むという話なのだが、その内容がまさに異常。エッセイ風の蛇足の部分は賛否あるだろうけど、部分を見せて全体を暗示させる、これこそが怪談だよなあ。黒木あるじは最後にポツンと爆弾を置いているものの、聞き書きそのままでちょっと迫力に欠けてるような気もする。怪談のイベントが増えているのは喜ぶべき事だろうけど。後はオーソドックスな話だけど、全体的にレベルが高くてなかなか良かった。2015/01/08
あたびー
28
読んだ気がしてたけどやっぱ読んでたか。黒木あるじさんの1日店長で怪談蒐集、臨場感があって良い。朱雀門さん小人リレーも良いなあ。2022/03/16
あたびー
27
低気圧の日は実話怪談。5人の作家さんの競作です。黒史郎さんの沖縄の予言オバア、正体不明のおまじないオミヤマモリが良かったです。黒木あるじさんの一日店長体験のくるま、どうなったんでしょう。伊計翼さんのノンストップトーク風のは怖くて実話とは思えないくらい。朱雀門出さんの小人多めでバトンタッチしていく演出も良かったな。つくね乱蔵さんのスタンダードな感じ締めにぴったりでした。ありがとうございました。2021/06/13
pulpo8
27
「暗黒怪談」「漆黒怪談」を読んでつまらないと思っていた黒史郎が今回なんかいい感じだったので、買う気がなかった「闇黒怪談」を購入。「オミヤマモリ」が気になる。黒木あるじは直前に読んだ「怪談売買録 拝み猫」と全く同じ内容で、読み順やってしまった、とショック。でも勿体ないので全部読んだ。朱雀門出「めし」が後に残る。なぜか残る。小説には負けるけど、伊計翼のエッセイ・つくね乱蔵「独り暮らし」のミステリーっぽい部分に怪談でもこういう書き方あるんだなぁと思った。後口上はスベリ気味だが、黒木あるじに対する文章には笑った。2017/04/19
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- 和書
- 模倣犯 〈1〉 新潮文庫