内容説明
著者がマイク一本で舞台に立ち、名選手・名場面を「物語」として紡ぎだす「かたり」。漫談でも一人芝居でもない唯一無二の芸、それがかたり。本書は長嶋茂雄に魅せられた著者が、その物語を作る際に本人、幼なじみ、恩師、ライバルなどゆかりのある人々からの言葉をまとめた取材記である。著者を通して、神のような存在だったミスターの背中がはっきりと見えてくる。
目次
プロローグ 僕はなぜ「長嶋茂雄」をかたりはじめたのか
第1章 茂雄少年は野性児のごとく
第2章 長嶋茂雄と相まみえた名選手たち
第3章 幾重もの奇跡が重なった天覧試合
第4章 選手を心身ともに鍛えあげた長嶋監督
第5章 愛弟子松井秀喜への想い
エピローグ 新たな時代の「長嶋茂雄物語」を目指して
著者等紹介
山田雅人[ヤマダマサト]
1961年大阪生まれ。大阪学院大学中退。1984年に芸能界入りし、バラエティ番組で活躍する傍ら、ドラマや映画にも出演。2006年、番組の企画で東京大学合格を目指し受験勉強を開始。以後、ほぼ毎年大学入試センター試験を受けるなど学業に励む。一方で、放送作家・高田文夫の薦めにより台本のない芸「かたり」を確立。尊敬する人物に取材を行い、それを「物語」にして舞台で披露している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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anken99
1
ミスター、長嶋茂雄に対する取材を振り返り、その人となりを語る一冊。山田雅人は、人物を取材し、その人物について語る「かたり」という芸を何年も前から手がけているとか。ぜひ一度聴いてみたいものだ。閑話休題。ミスターはやはり、生まれながらにしてミスター。しかし、決して努力することを怠らなかった人物だということがよく分かる。ミスターの魅力満載、やっぱり素晴らしいスーパースターだ。2018/02/11
Junichi Shimizu
0
長嶋茂雄の物語だと思っていたら、それを「かたり」という芸に起こすための山田雅人氏の取材記。取材内容や芸についてはさておき、長嶋茂雄のプロ意識の高さに感動した。アマチュアとプロ、という対比で判断することではないと思うが、プロがプロたるには、という考え方には共感、またすばらしい、と感じることができた。あまりスポーツ偉人のような書籍は手に取らないが、結果を出した、出している人間の人生や考え方は面白い。2017/11/23
鴨の入れ首
0
2015年刊。長嶋茂雄さんへの取材記です。今や巨人軍のみならず日本プロ野球史に残る名選手・名監督の長嶋さんですが、著者の長嶋さんへの敬愛の情が伝わって来て、読んでて非常に心温まりました。私は巨人軍ファンではありませんが、それでも長嶋さんは凄い人だったのだなと思いました。主に昭和時代の野球界の雰囲気がよく分かり、読んでて興味深い本でした。2024/07/07