内容説明
怪異―それは常世と隠世(かくりよ)を結ぶ奇妙な体験。怪異を蒐集していると時に変わった職業に行き当たることがある。池に落ちたボールを拾うゴルフボールダイバー、弱った木々を治療する樹木医、伝書鳩を育てる伝書鳩ブリーダー…。そうした特殊な職業についている人々が体験する怪異は、一味も二味も変わっていることが多い。鮨職人が目撃した謎の「のっぺらぼう」。死の香りを嗅ぐフレーバリスト。シューフィッターのもとにやってきたフジツボ男。路線バス運転手が遭遇したもの言わぬ乗客たち…。「私の体験をどうか最後まで聞いてください…」隠世はすぐ傍にも広がっている。特異な余韻を残す怪談アンソロジー。
目次
“神主の怪異その一”異形のモノ
“神主の怪異その二”面呪縛
“高層ビル窓拭き業の怪異”待ち人
“伝書鳩ブリーダーの怪異”死者からの伝言
“ゴルフボールダイバーの怪異”宝の山
“結婚式ペーパーアイテム作成業の怪異”吉兆
“保育士の怪異”アタシャナイナイ
“システムエンジニアの怪異”真夜中の警報
“鮨屋の怪異”魚怪
“墓参り代行業の怪異”墓参りの文句
“シューフィッターの怪異”巻き爪
“鑑識官の怪異”報復の痕跡
“湯潅師の怪異”隠れた怨み
“フレーバリストの怪異”死臭
“ロケーションコーディネーターの怪異”本当に見えていた景色
“自動販売機設置業の怪異”土地憑き
“競馬の予想屋の怪異”父の愛
“樹木医の怪異”魅入られた者
“弁護士の怪異”覚えられない
“塾講師の怪異”見知らぬ生徒
“霊園管理人の怪異”木怪
“絵馬・卒塔婆製造業の怪異”巡る因果
“出会い系サイトのサクラの怪異”画面の向こう側
“証明写真機メンテナンス業の怪異”神隠し
“路線バス運転手の怪異”職の矜持
“養蚕農家の怪異”おかいこさま
著者等紹介
正木信太郎[マサキシンタロウ]
怪談師・怪談作家。11歳の林間学校で初めて怪異に遭遇して以来、怪談に興味を持ち蒐集活動を始める。東京都内で怪談座談会や怪談トークイベント等を主催し、怪談文化の発展に努めている。またテレビやラジオのみならずDVDやYoutubeにも多数出演している
しのはら史絵[シノハラシエ]
東京都出身。映像、ラジオドラマのプロット・シナリオ、小説・漫画原作を手掛ける傍ら怪談蒐集をしている。怪異座談会や怪談イベントも主催。2017年『お化け屋敷で本当にあった怖い話』で実話怪談本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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