出版社内容情報
百万都市江戸の魅力を「間取り図」を介してやさしく解説。五つの土地毎に章を分け、江戸に住む人々の暮らしに迫る。対象は将軍や大名といった上流層から、旗本・御家人や江戸勤番の藩士たち、さらには町人、豪農など。住まいや勤め先の内部を見れば、江戸のリアルを実感できる。
内容説明
間取りを見れば江戸がわかる。
目次
第1章 江戸城の間取り(江戸城天守―強固な防御力を誇る要塞だった旧江戸城;本丸御殿・表―厳しい身分制のうつし鏡のような空間 ほか)
第2章 武家地の間取り(大名屋敷・上屋敷―重大イベントだった将軍のおもてなし;大名屋敷・中屋敷―臨機応変に使用された屋敷の実態 ほか)
第3章 町人地の間取り(江戸の町割り―町割りから浮かび上がる居住格差;表店―間取りからわかる商品を守るための工夫 ほか)
第4章 寺社地の間取り(増上寺・寛永寺―盛衰は幕府とともに将軍の二大霊廟;浅草寺―一大ショッピングセンターになった大寺院 ほか)
第5章 江戸郊外地の間取り(宿場町―参勤交代で利用された地域経済の中心地;八王子千人同心組頭の家―農民でありながら武士だった江戸の警護役 ほか)
著者等紹介
安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
歴史家。1965年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程満期退学(文学博士)。JR東日本「大人の休日倶楽部」など生産学習講座の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
5
裏長屋はともかく、以外に間取りは広いことに驚いた。 2024/05/30
OjohmbonX
3
時代劇・時代小説を好きな人はとても楽しめる本。江戸城本丸、大名屋敷、町奉行所、表店、裏長屋等、間取りを通して当時の身分制の仕組みや生活が浮かび上がる。3Dで中を好きに探検できたら楽しそう。旗本・御家人は拝領した土地屋敷の一部を町人等に貸出して収入を得て、人口が急増した江戸の土地の利活用や経済活動の一端も面白い。漱石「吾輩は猫である」で、銭湯の湯船が真っ黒で芋洗い状態という描写を昔に読んだけど、本書の湯屋の項で、水が豊富に使えず浴槽は最初に体を温めるだけでど汚かったと紹介されていて疑問が解消された。2024/10/20
S
1
これまで何冊かの江戸時代解説本を読みましたが、はじめて江戸時代の空気感を想像することができました。 歴史用語の説明も、とてもわかりやすかったです。2024/07/08
ひよこ
0
P96”江戸の頃は、体を洗う前に浴槽につかり体を温めるのが普通だった。水を豊富に使えない事情もあり、浴槽の湯は汚かった。よって、体を温めるだけに使われた。 浴槽で体を温めた後、流し場で体の汚れを取ることになる。流し場には水舟が置かれており、そこに張られている水で温度調整をしながら体を洗った。その際には糠袋が使われたが、小豆や大豆を挽いてパウダー状にし、これに香料を加えたものも洗い粉として番台で売られていた。洗い粉は肌の艶もよくなるため洗顔にも使われていた。”2024/11/16