出版社内容情報
末梢神経が徐々に麻痺していってしまうという難病「CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)」。幼い頃からこの難病と闘ってきた著者が“死”に救いを見出し、スイスで安楽死を試みるまでの物語を綴ったノンフィクション。
医療トラブル、学校でのイジメ、そして両親との衝突……。様々な苦難を乗り越え、死の“直前”までたどり着いた彼女がそこで感じたこととは――。
内容説明
「死ぬ権利」を手に入れた私は、父親とともにスイスに渡った―。難病に侵された私が死に救いを求めた三十年。
目次
1章 病の発覚
2章 最悪の学校生活
3章 絶望と決意
4章 死への準備
5章 スイスで安楽死
6章 ALS嘱託殺人事件
7章 これからのこと
著者等紹介
くらんけ[クランケ]
1991年、青森県生まれ。6歳のときにCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という難病を発症し、長い闘病生活に入る。治療に限界を感じ、2019年10月に「死ぬ権利」を手に入れスイスに渡るも、気持ちの整理がつかずに帰国。現在は自分の選択と再び向き合いつつ、Twitter上で安楽死・介助自殺についての情報発信も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうき
12
とても難しい問題。当事者の立場と親の立場、自分をどちらに置くかによって答えは変わってしまう。くらんけさんの気持ちも理解出来る。でもご両親の気持ちを思うと辛すぎた。いろんな事を考えるきっかけになった読書時間でした。2024/05/14
よしじ乃輔
12
著者は6歳から難病に苛まれ、治療に苦しみ、治らない事に向き合い生きてきた。その語り口は冷静であるが故に我慢と諦念を感じる。この手記を読み、まだ頑張れとは決して言えないと思う。自分は安楽死、自殺介助賛成派。死ぬ選択は自分似合って欲しいと考える。ただ、自殺介助を選んだ彼女への両親の気持ちも想像以上にわかる気がしている。が、死を願うそれも当人からすれば止められるない事とも思う。昨年、病に苦しむ親族を送った時に色々考えた事を思い出した。2023/02/02
エル
10
6歳から難病に苦しみ、辛い治療地獄に耐えてきた著者。様々な辛い経験から安楽死を決意せ。なのに日本では安楽死は認められない。自分の最期を自分で決められない。死が救いになることもある。もがき苦しみ、死ぬ権利を得ても土壇場で死ねなかった著者。安楽死の問題はとても難しい。『命は救っても、人は救わない医療者は』になりたくない。一生懸命に人を助けることが必ずしも救いになるとは限らない。だとしたら私たちはどう生き、死ぬべきなのだろう。2023/02/04
yunyon
8
「自分の命は自分だけのものじゃない」、若い頃、失恋して自殺する登場人物が出てくる堀田あけみの小説を読み、「大事な愛を失ったのだから、もう生きていても仕方ない」って考えることは至極真っ当で、自分も死んじゃうかも~なんて考えていた。自分が人の親になり、失恋くらいで我が子が死ぬなんて、親にしてみたら、どんだけ今まで心血注いで育ててきたか、親を殺してから死ね!って思った。日本の子どもの自殺が過去一だと報道があった日に読み終わり、難病に苦しむ作者が自殺を思い留まり、他の子が死んでしまうのはなぜかと考えた。2023/03/15
ムーミンママ
6
命は尊い。。だが それに縛られ過ぎている気がする。医療者の威圧 たまに感じるよね。寄り添ってくれる医師に出逢えるかで生きる気力も変わってくると思えた。2023/12/14
-
- 和書
- 免疫の事典