出版社内容情報
江戸時代の武家社会で最も権威のある存在――それが、征夷大将軍である。武士のトップに立つ将軍ともなれば、さぞ、自分の思うままに采配を振り、大勢を従えながら、人生を謳歌したのだろうと思うかもしれない。
しかし、現実の将軍はそんなイメージとはかけ離れている。上司の豊臣秀頼との付き合いに苦心する初代家康、強権すぎて幕臣が暴走を止められなかった5代綱吉、支持者に忖度しまくっていた8代吉宗など、将軍たちの素顔はかなり人間くさい。
そんな将軍たちの人間くさい面――将軍を取り巻く悩みや願望――に注目して、時代のターニングポイントを読み解くことが本書の目的である。好き放題振舞っているように見えた徳川将軍たちもまた、わずらわしい人間関係に頭を悩ませて、日々戦っていた。そうした人間関係が歴史の流れにどう影響したのか、本書では考えてみたい。
内容説明
初代家康から最後の将軍慶喜まで、計15人の将軍を網羅。身内びいき、キレすぎ、気配り上手…。将軍さまの意外な素顔。将軍の人間関係に注目すれば江戸時代がよくわかる。
目次
初代 家康の人間関係―絶対権力者のはずが…心休まらない日々の連続
2代 秀忠の人間関係―偉大な父を持った2代将軍の憂鬱
3代 家光の人間関係―理不尽な両親よりも祖父家康をリスペクト
4代 家綱の人間関係―幼年将軍誕生で始まった手探りの側近政治
5代 綱吉の人間関係―ダークホースの将軍就任で戦々恐々とする幕臣たち
6代 家宣の人間関係―50歳手前で将軍就任 大事にしたのは旧知の家臣
7代 家継の人間関係―家宣時代の側近が幼年将軍を盛り立てる
8代 吉宗の人間関係―かなりの忖度上手だった暴れん坊将軍の大改革
9代 家重の人間関係―期待されなかった将軍の大胆な人材登用
10代 家治の人間関係―将来を嘱望されていた側近任せの趣味将軍
11代 家斉の人間関係―贅沢三昧の子沢山将軍による長い治世
12代 家慶の人間関係―父の尻ぬぐいに奔走 危機の時代の人材活用
13代 家定の人間関係―激動の時代に前評判最悪の将軍誕生
14代 家茂の人間関係―国難に直面した若き将軍が受けたプレッシャー
15代 慶喜の人間関係―最後の将軍はなぜ誰も頼れなかったのか
著者等紹介
真山知幸[マヤマトモユキ]
1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年より独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』『ざんねんな歴史人物』(学研プラス)は計20万部を突破しベストセラーとなった。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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