感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
81
文豪の恋文ってどれだけ奥深いんだろうなと。太宰治の口説き文句は短く濃く、はた迷惑な中原中也、芥川龍之介の好き好きが溢れまくる恋文がくどく、萩原朔太郎は北原白秋に熱烈で、石川啄木はクズ男で、斎藤茂吉は27歳年下女性と不倫、梶井基次郎は宇野千代に空回りして、優しい中島敦も女の影あり、国木田独歩は愛人を連れ込み、義息子の嫁にうつつをぬかす谷崎潤一郎。一生に一度の大恋愛と思いきや、次々と恋を重ねる。各々の熱烈な言葉をつらつらと綴った恋文が熱い。たくさん本気の恋をしたから、文豪となるほどの作品を生み出せたのかしら。2022/02/09
ばう
64
好きな女性への言葉が後世の人々に読まれるってどうなのか?などと思いながらも興味がありまして。梶井基次郎の恋が切ない。中島敦はお断り。何だか面倒くさそう。大体恋人の手紙の誤字を指摘してくるってどうよ。太宰の口説き文句は流石。そりゃあみんな惚れちゃうよね?中原中也、萩原朔太郎など詩人達は理解不能。石川啄木、とんでもないダメ人間ではないですか?これから色んな本を読み始める若者には絶対お勧めしない一冊です。この本を読んだ後では彼らの作品をよんでも絶対感動出来そうにない(個人的見解ですが。特に石川啄木)。2021/01/02
ミライ
41
文豪の口説き文句を集めた一冊。太宰治、中原中也、芥川龍之介、萩原朔太郎、石川啄木、梶井基次郎、谷崎潤一郎など有名文豪が女性に出したラブレターが収録されている(今の時代で言うとLINEの口説きメッセージが流出した感じか)。コロっと落とされてしまいそうなうまい文章が多いのはさすが。中には素直になれなかったり、思うことがなかなか言えなかったり、滅茶苦茶未練がましい人もいたり…こういう人間臭い文章を読んでいると、彼らもれっきとした一人の人間だったんだなとふと思った。2020/07/19
たぬ
37
☆4 さすが文筆家と唸ってしまうような詩情あふれる手紙を書いている萩原朔太郎や中島敦のような人がいる一方で写真クレクレしつこくしていざ同封されてきたら美人じゃなかったからとあからさまに態度を変える石川啄木という人間性に難ありな奴もいてね。まあしかし太宰の心中相手と茂吉の想い人はすこぶる美人ね。2021/07/31
ユウユウ
24
芥川が甘々なのが素敵です。ただ表紙にある芥川の有名な口説きが本文の中に見つけられない。見落としでしょうか。。。谷崎も終始一貫してて気持ちいいです。「痴人の愛」読み返したくなりました。2020/08/16