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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
45
時代は令和になり、昭和は遥か遠くへ行ってしまったように感じています。昭和遺産という表現には、かなり心に響いてきます。この著書で取り上げている川越の丸広百貨店の屋上遊園地がなくなるニュースがありました。一時期通っていたことのあるキャバレーハリウッドもなくなってしまいました。寂しくないと言えば嘘になりますが、時の流れ、仕方ないのでしょう。昭和という時代が「ああ、よかった」と実感をこめて言える。それでいいじゃないかと思います。2019/05/11
わんつーろっく
17
11章からなる絶滅危惧職とは、屋上遊園地・野菜の行商・路上の靴磨き・おでん屋台・駄菓子屋・キャバレー・ちんどん屋・氷屋・名曲喫茶・質屋・ストリップ劇場。時代の流れに淘汰されることなく、生き残りを模索しつつ、その仕事を続ける魅力の一端を感じた。小さな遊園地で10円玉を惜しまず投入して、孫を喜ばせてくれた亡き父に会いたい。2021/09/26
ふじこ
8
屋上遊園地、おでん屋台、名曲喫茶。中には今はほとんど見かけなくなった氷屋さんも。昭和から長きに渡って働いてきた職業人たちを取材した一冊。現役である彼らの周りだけタイムスリップしたかのようにセピア色に変わる。「裸の人間が出ていくのではなく、目の前で服を脱いでいく、それが大事なんだろうなと思います」(ストリップ劇場の項より)風前の灯火ながらも無くならないのには理由が伴う。昔からの常連もいれば新たな顧客を開拓した人もいて読んでいて飽きさせない。平成が終わるまでにこの中のどこかに行ってみよう。2019/01/29
チョビ
6
昭和の世界では栄えていたそれは、平成で消えかけようとしている。例えば質屋、靴磨き、ストリップ…。その生命が失われようとするから愛おしくなるというのはあまりにも身勝手ではなかろうか。好きなものや人は生命が失われないように、愛おしいと思う気持ちを常に行動で表せればという気持ちを新たにする。2019/04/01
のぶ
3
この書名から私が連想し期待したのは、アース渦巻とかオロナインとかボンカレーのホーロー看板、或いはピンク電話や丸ポストといった、ブツ(としての遺産)でした。この書名は若干ミスリードですね。腰巻には「職業」の文字がありますが、図書館(腰巻なし)の、しかも新着本の棚で見つけた本、気づいてませんでした(NDCが384.3なのに今気づきました)。ということで昭和の懐かしい施設や職業(後者の比重が高い)を11件紹介している本です。昭和を懐かしむよりは、仕事を続けることについて思索するルポルタージュの香りが強い本です。2019/05/01