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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honyomuhito
44
某駅前で待つ、黒塗りの運転手付きの車は一体誰を乗せるんだろうと、ずっと疑問に思っていた。 なるほど吉原のお出迎えだったのか。今ではどのサービス業界でも、到底そこまでのものは無いだろうなという、客の立場に立ったサービスを施す以前の吉原を、「昔は人情がありましたよね」と言いながら、本人だけでなく家族や彼氏の作った何千万・何億もの借金を20歳そこそこの女性が背負うのを普通とした世界。人間らしい温かさと残酷さが https://chirakattahondana.com/吉原で生きる/2018/06/03
makimakimasa
12
本書の面白いのは、男性スタッフ含む風俗関係者だけでなく、町の自治会幹部等にもインタビューしている点、定食屋や喫茶店のママ(2人共元ソープ嬢)は昭和の歴史を語り、吉原の町と人を多角的に捉えようと試みている。タクシー運転手の乗せた「収監前に遊びにきた実業家H」ってすぐ特定(笑) 情報喫茶のママが、気になるソープ嬢を夫に試させ客に情報提供する話が凄い。元風俗情報誌発行人は、真実の追求を志し敗れた一マスコミの栄枯盛衰話を語る(広告の受入れが原因で休刊)。元吉原(1617~1656年)は今の人形町付近らしい。2020/06/16
hikarunoir
8
地域に限定し歴史や住人、働く様々な立場に迫るのは、悪所だけにロマンがある。だが時折女も店も選ばず快楽を貪りたいだけの男視点が入るのはキモい。2024/08/11
黒頭巾ちゃん
8
ルポはいいね。様々なステークホルダーの話。ボーイ、店長、タクシーの運転手や嬢。客の質が下がったり、ソープの仕事に誇りがなかったり、格安店など変わってきている。個人的には人間性の大きな嬢に入りたいな。プロ意識が高いのは講習に前向きだったり、写真をよく変える嬢。お客をとりたいからいい嬢だろう。2022/02/26
チョビ
7
最初は引退した吉原の太夫クラスの女の子の頑張り具合が紹介されたが、徐々に吉原が廃れていく姿を嘆き、なぜかを考えているのが地元の素人さんやマスコミという外の人というのが面白い。私にしてみれば嘘を嘘として楽しむ人々たちがいなくなったことだと思う。そもそも吉原は嘘を楽しむところではないか?何でも本音で相対してたら「たるいからやめる」→教育する意味もないからどんどん嬢の質が下がる。は当たり前。客も写真に「騙された」って…。ソープは技術を学ぶところだろう!日本人の吉原に対する敬意ってどこに行った?2018/05/10