出版社内容情報
【目次】
内容説明
無限に遠ざかるアーケード、無人の通りを駆ける少女の影、広場に置かれたマネキン…事物の意味が崩壊し、現実が見知らぬ「謎」として立ち現れるとき、すべては真理なき仮象となり、絵画は永遠回帰の徴となる。ショーペンハウアーとニーチェの思想のもとに「神の死」を描く「形而上絵画」、唐突な古典絵画への回帰、シュルレアリスムとの交流と断絶をつぶさに追い、その謎に迫る。
目次
1 序 ジョルジョ・デ・キリコの生涯と作品
2(形而上絵画とは何か;永遠回帰の図像学;エディプス・コンプレックスと「技術への回帰」;デ・キリコとシュルレアリスム;小説『エブドメロス』)
著者等紹介
長尾天[ナガオタカシ]
1980年、東京都に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科芸術学(美術史)専攻博士課程修了。専攻は、二十世紀美術史、イメージ論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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懐かしくもあり、憂愁を覚える絵。オレンジの夕映え。幾何学と冗長的な空虚。意思や解釈を無意味にするオブジェ。通常の経験や論理をキャンセルし、お決まりの形而上学の観念を無意味にする。そうすることで物同士の自明の論理の「記憶の糸」は切れ、それまで見えてこなかった事物の側面が現れるようになる。事物の純粋なイデアの表象の開示をめざす。木から落ちる赤色の球体を見れば、誰もがリンゴの仮象を浮かべる。重力下にある人間の記憶の糸、重いものは下とのぞむ意志と欲望の顕れであり、シュプレマティズムの場合であればこの転倒を試みた。2026/06/01




