内容説明
南でゲイであること、北でアラブであること、そして自分と世界を知る旅。母や兄への官能的な親密さに満ちた幼年時代を通りぬけて、フランス語の知に魅惑されたモロッコの若者は地中海の両岸で「他者」となる。
著者等紹介
ターイア,アブデッラー[ターイア,アブデッラー] [Ta¨ia,Abdellah]
1973‐。モロッコの首都ラバトの近郊に生まれ、ジュネーブ、パリに留学してフランス語作家としてデビューする。作家自身と思しき主人公の語るオートフィクション的な一連の小説で高い評価を得ており、同性愛が法的処罰の対象となり得るアラブ諸国の出身者としては例外的に、同性愛者であることを公表して社会的発言も続けている
鵜戸聡[ウドサトシ]
1981年、南九州に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、明治大学教授。専攻、フランス語圏アラブ=ベルベル文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
40
モロッコ出身の男性が、ここまでおおらかに同性愛を語るとは…文化的にタブーであるだろうに…。初めてです。とはいえ社会や宗教のような要素よりも、もっと個人的で、肉感的な部分が多いかな。自然体なセクシーさが魅力的です。同時に女性への文章はお母さんも含め少々辛辣です。愛する兄が妻とセックスすることへの腹立ちは理不尽でありながらも、同時に彼の正義。人の日記を読んでいるような読後感です。新刊コーナーより。2025/09/20
ラウリスタ~
9
アブデラ・タイアのはじめての小説『救世軍』の翻訳。本訳書では、フランス語風の発音ではなく、モロッコ風の発音で著者名を表記。前半はモロッコで過ごした少年時代に年の離れた兄に同性愛的欲望を抱くが、彼が女の手に落ち結婚し自分を捨てることへの絶望。後半はフランス文学の教師と恋に落ちジュネーヴに行くが、留学が始まる時にはその関係は終わっており、誰も迎えに来てくれず、ホームレス用の救世軍の宿舎に迎え入れられるという、冷たい国スイスでの暖かな歓待の物語。あと書きでセックスは人を怖がらせてはならないに注目しているのが重要2025/07/13




