内容説明
2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは…。祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
著者等紹介
パドゥーラ,レオナルド[パドゥーラ,レオナルド] [Padura,Leonardo]
1955年、キューバのマンティージャ生まれ。ハバナ大学で文学を専攻、文学雑誌や新聞の編集に携わり、1990年から推理小説の執筆に取り組む。〈マリオ・コンデ警部〉のシリーズによってキューバ国内で名を知られ、シリーズ第三作『仮面』(1995年)でカフェ・ヒホン賞を受賞。以後、スペインの出版社から長編小説の刊行を続けている。2015年にアストゥリアス王女賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りつこ
24
キューバ人の母とアメリカ人の父を持つアデラとキューバから亡命してきたマルコスの恋愛から始まり「どうして亡命するの?」というアデラの問いに答えるかのようにマルコスの親の世代の物語が語られていく。物不足、仕事不足、不安定な情勢の中で生き残るために歯を食いしばって国に残る人と、そこからどうにかして脱出する人。ほんの少しの希望に縋って前を向いて頑張っても過酷な現実に打ちのめされる。それでもまた立ち上がり友だちに手を差し伸べる。ミステリー仕立ての所もあるのでその吸引力もあって最後まで夢中になって読んだ。楽しかった!2025/09/29
uniemo
13
著者の作品は2作目で図書館での予約本。長編とは思っていたけれど想像以上の厚さに期限内で絶対読めないと思ったけれどキューバの歴史に少し興味があるのでその部分も面白いしストーリーとしても先を読みたくなる展開でした。2025/08/09




