内容説明
言語表現の臨界点を提起したポーランを介して、戦前の文壇を代表する大作家ジロドゥと、新進気鋭のサルトル/ブランショとの知られざる応酬を明らかにし、戦後フランス文学の基調をなす言語観に迫る。
目次
1(八拍子のワルツ―ジロドゥ、サルトル、ブランショにおける批判的諸関係(一九三八‐一九四五)の分析
『ルクレチアのために』の今日的意義―暗闇のなかの手つかずの可能性
言葉、プロパガンダ、映画―ジャン・ジロドゥの言語観とその映画作品の関係
「限界‐体験」への誘惑―ジロドゥの演劇における女性の登場人物とアイデンティティの境界
ジロドゥのレトリック―「疑いも不安もないレトリック」(C=E・マニー)か?)
2(サルトルの考えるテロル―シュルレアリスムからネグリチュードへ;ある挫折の解剖学―ポーランとブランショのあいだのサルトル(一九四五‐一九五二)
ジャン・ポーランとブリス・パラン―言葉の形而上学をめぐって
常套句、あるいは、振動と揮発―ポーランからブランショへ
死と存在の空間へ向けて―モーリス・ブランショにおける二つのテロル
モーリス・ブランショの文学時評、ロートレアモンと小説の問題
感性の問題―三つの同時代小説、『選り抜きの女たち』、『嘔吐』、『謎の男トマ』をめぐる交叉的読解
シンポジウム「レトリックとテロル」の誕生について―「あとがき」に代えて)
著者等紹介
澤田直[サワダナオ]
1959年生まれ。立教大学教授(フランス語圏文学・思想)
ブランクール,ヴァンサン[ブランクール,ヴァンサン] [Brancourt,Vincent]
1966年生まれ。慶應義塾大学訪問教授(二十世紀フランス文学)
郷原佳以[ゴウハラカイ]
1975年生まれ。東京大学教授(フランス文学)
築山和也[ツキヤマカズヤ]
1966年生まれ。慶應義塾大学教授(十九世紀フランス文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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兵頭 浩佑