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内容説明
実用的見地から読み解くドゥルーズ=ガタリ。同一性を解体する“差異”や他なるものへの“生成変化”を称揚したドゥルーズ=ガタリの哲学は、主体なき思想なのか―。ギヨーム、イェルムスレウ、バフチンをはじめ、ソシュール以降の言語学者たちが与えた衝撃を精緻に分析することにより、日常的な経験を支える言語や表象の水準から“生成変化”に至る理路を照らしだす。
目次
第1部 『意味の論理学』と私たち(『意味の論理学』の方へ―差異哲学と表象批判について;表象から表現へ―非物体的なものへの生成について;動詞と時間=時制の理論―アイオーンを表す現在形について;出来事は必ずや実現される―伴-実現について)
第2部 『千のプラトー』と私たち(『千のプラトー』の方へ―機械と記号について;地層化の理論―質料、表現と内容、形式と実質について;脱地層化の理論―器官なき身体について;対位法から抽象機械へ―マイノリティ性への生成変化について)
第3部 『哲学とは何か』と私たち(『哲学とは何か』の方へ―対位法と新たな調和の可能性;オピニオンに抗する闘い―オピニオンの恥辱について;オピニオンから芸術へ―感覚的生成と対位法について;オピニオンから哲学へ―概念的生成と反-実現について)
著者等紹介
平田公威[ヒラタキミタケ]
1990年、沖縄県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。現在、大谷大学文学部哲学科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
差異や生成変化を肯定。2024/09/14
0
ドゥルーズ =ガタリを言語学から読み直す。表象=代行批判の『差異と反復』から準=原因としての表現の擁護、イェルムスレウから読み直す「器官なき身体」など結構面白い。気になったのは『哲学とは何か』で語られるように「オピニオン」に同伴しながらも抗う「思考」を如何に紡いでゆくのかということだ。それは、デリダの脱構築の方法にも通じる(相手の手札を別様に読み替える)容易い観念論に飛躍するのではなく、経験論的内在に滞留しながらも、同時に如何に超越的な場を形成できるのか、言語の側面に注目することで見やすくなっている。2023/12/13