内容説明
激動の20世紀を“第三世界”の視座から描き出し、その未発のままの歴史/運動/現在をトータルに概括する待望の一冊。
目次
第1部 探求(パリ―理念の誕生;ブリュッセル―一九二七年 反帝国主義連盟;バンドン―一九五五年 アジア・アフリカ会議 ほか)
第2部 陥穽(アルジェ―独裁国家の危険;ラパス―兵舎からの解放;バリ―共産主義者の死 ほか)
第3部 抹殺(ニューデリー―第三世界への弔辞;キングストン―IMF主導のグローバリゼーション;シンガポール―アジアの道という誘惑 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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第三世界の歴史、理論、綱領は理性的で現実的であり、各構成体はそれほど均質的ではないが世界体制における被抑圧民族として共通の経験と利害を持っている。これらの諸国は老いぼれ腐った西洋帝国主義と資本主義に対する抵抗と変革の根拠地として光輝を放ったが、そもそもの軍事的金融的従属の強さや自信をつけた反動勢力の台頭によって再び後景へ追いやられた。しかし、最近の南北対立の激化や、没落に抗って大量殺戮を繰り返す「先進」国の醜悪きわまる西洋中心主義の破綻はこの未完の闘争の継続を示している。帝国主義は必ずや打倒されるだろう!2024/08/14