内容説明
ヨーロッパ世紀末における“宿命の女”(ファム・ファタル)の代表的存在であり、文学、絵画、オペラ、舞台、彫刻、バレエとあらゆる芸術分野で表象された“サロメ”。従来の比較文学や神話学的分析、精神分析や美術批評とは一線を画し、近代の偉大な文学者たちのテクストを対象として、間テクスト的、間生成批評的、間美学的手法を自在に用いながら、サロメ流行の根底にあった歴史的命題を浮かび上がらせる、マラルメ研究の泰斗による“サロメ”批評!
目次
ボードレール的序文として―『悪の華』からオリエントの踊り子へ
『エロディアード』あるいは現代の美―悲劇から詩へ、詩から神秘劇へ
『ヘロディアス』―オリエントの舞踏から完全なる詩へ
『さかしま』―ボードレールとフローベールを通過したサロメ
結論
補遺
著者等紹介
マルシャル,ベルトラン[マルシャル,ベルトラン] [Marchal,Bertrand]
1951年、エクス=アン=プロヴァンスに生まれる。ソルボンヌ大学名誉教授。専攻、フランス文学、比較文学
大鐘敦子[オオガネアツコ]
1964年、京都に生まれる。慶應義塾大学大学院文学研究科博士号取得。現在、関東学院大学法学部教授およびパリ第四大学客員研究員。専攻、フランス語、十九世紀フランス文学、比較文学
原大地[ハラタイチ]
1973年、東京に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。パリ第四大学にて博士号取得。現在、慶應義塾大学商学部教授。専攻、フランス語、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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