内容説明
エクリチュールの民主主義が成立する近代以降、“文学”によってラディカルな次元で可能となる既存の「分割=分配」への異議申し立てを提示する、メタ・ポリティークの詩学。
目次
1 仮説(文学の政治;文学的誤解)
2 人物(エンマ・ボヴァリーの処刑―文学、民主主義、医学;戦場にて―トルストイ、文学、歴史;闖入者―マラルメの政治;ベルトルト・ブレヒトの悦ばしき知識;ボルへスとフランス病)
3 交錯(窓から入ってくる真理―文学的真理、フロイト的真理;歴史家、文学、伝記ジャンル;哲学者における詩人―マラルメとバディウ)
闖入者の思考、あるいは、第三の岸―ジャック・ランシエール『文学の政治』の余白に
著者等紹介
ランシエール,ジャック[ランシエール,ジャック] [Ranci`ere,Jacques]
1940年、アルジェ生まれ。哲学者。パリ第八大学名誉教授。アルチュセールに師事するもその後訣別。政治哲学、文学批評、美学など幅広い分野で活躍
森本淳生[モリモトアツオ]
1970年、東京生まれ。京都大学人文科学研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヤマニシ
0
「「文学の政治」という表現が含意するのは、文学は文学として、こうした空間と時間、見えるものと見えないもの、言葉と雑音の切り分けに介入する、ということである。」(p17)2024/04/12
mori-ful
0
「ある意味で、政治的活動とはすべて、何が言葉で何が叫びであるかを決定する闘争であり、したがって、政治的な能力を証明する感覚可能な境界線を引き直す闘争である」「政治が始まるのは(略)自分の仕事以外のことをする時間を持たない人々が、持たないはずの時間を割いて、自分が公共の世界に参加する話す存在にほかならず、凶暴な、あるいは、苦しんでいる動物などではないことを証明するときなのである」2023/12/13
-
- 和書
- 電験三種合格の数学