内容説明
初期の『遠い山なみの光』から、代表作『日の名残り』『わたしを離さないで』、そして最新作『クララとお日さま』まで、全長篇を仔細に読みこむ第1部、作品編。幽霊、動物、原爆、ケアなど、多彩にして重要なモチーフを手がかりに、創作のメカニズムを大胆に読みほどく第2部、モチーフ編。作品世界を縦横無尽に探訪しながら、ますます創造的で魅力的な読書体験への扉を開く、最新・最良のカズオ・イシグロ文学案内!
目次
1 作品編(『遠い山なみの光』の川向こうの女;『浮世の画家』の野心と裏切り;『日の名残り』の偉大な執事の品格;『充たされざる者』の夢ぎわの町―ゆがむ空間と時間;『わたしたちが孤児だったころ』の拡大鏡―見えているようで見えていない;『わたしを離さないで』のカセットテープ―あなたを決して忘れない;『忘れられた巨人』の塔に埋められた歴史;『クララとお日さま』の暗闇と光)
2 モチーフ編(幽霊―死、自殺;動物―親しいものと不気味なもの;(ディス)コミュニケーション―すれ違うメッセージを通じてこそ伝わるもの
乗物
家―建物と場所と記憶
水―川や海
記念碑―記憶と忘却
アート―技術と芸術との結びつき
人間の価値―その交換と循環
ステレオタイプ―日本、イギリス、二世界文学
原爆
視野
悪―戦いと共謀
ケア―他者への気づかいとその困難)
著者等紹介
三村尚央[ミムラタカヒロ]
1974年、広島県に生まれる。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。千葉工業大学教授(イギリス文学、記憶研究(Memory Studies))(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
-
- 和書
- ラピスの心臓 3