内容説明
駅名は集合的記憶を支え、日常を行き交う私たちの個人の記憶のよすがとなる。車内の様子や駅の情景、人々の動きの具体例をさまざまに取り上げ、パリのメトロを契約的かつ経済的な空間として読み解く。
目次
いくつかの記憶
いくつかの孤独
いくつかの連絡
いくつかの結論
著者等紹介
オジェ,マルク[オジェ,マルク] [Aug´e,Marc]
1935年、ポワチエに生まれる。人類学者。パリの社会科学高等研究院(EHESS)にて指導教授を務める(1985年から95年まで院長)。現代社会について人類学的手法から分析を試みている
藤岡俊博[フジオカトシヒロ]
1979年、長野県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、東京大学大学院准教授。専攻、フランス哲学、ヨーロッパ思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
8
個人であり集団でもある、自発的選択者であり限定的利用者でもある、観察者であり被観察者でもあり得る自分が、特定の場所でもあり経路でしかないメトロという空間でどう位置付けられるのか。本書は民族学的発想で日常生活を規定し直し、自己に潜む二律背反のあり様を写し出す。こうした視点のずらしは80年的というか、かつて読み慣れたあの当時の論考を思い出させる。人類学にとって今、本書はどういう意味をもって迎えられるのだろうか。今でも新鮮なのかどうか。外部のものとして少々気になった。2022/03/13
takao
0
ふむ2025/05/05
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