内容説明
芸術と哲学の関係はいかなるものなのか?芸術を真理との関係から問い直し、ダンス、映画、演劇、散文、詩を例に作品でも作者でもなく出来事的な切断によって先導される“芸術的布置”の次元を見定める渾身の芸術論。
目次
第1章 芸術と哲学
第2章 詩とは何か、それについて哲学は何を思考するのか?
第3章 フランスの哲学者がポーランドの詩人に応答する
第4章 一つの哲学的使命―ペソアの同時代人であること
第5章 詩的弁証法―ラビード・ブン・ラビーアとマラルメ
第6章 思考のメタファーとしてのダンス
第7章 演劇に関する諸テーゼ
第8章 映画の偽の運動
第9章 存在、実存、思考―散文と概念
第10章 半獣神の哲学
著者等紹介
バディウ,アラン[バディウ,アラン] [Badiou,Alain]
1937年、モロッコのラバトに生まれる。哲学者、作家。主な著書に、『存在と出来事』(邦訳、藤原書店、2019年)、『コミュニズムの仮説』(2013年)、『議論して何になるのか』(共著、2018年)など
坂口周輔[サカグチシュウスケ]
法政大学兼任講師。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Э0!P!
3
マラルメのファンブックと言えそう。要所要所にマラルメの言説が引用されている。かなり丁寧に書かれているが、作品の解釈に関わるところは自分が原作を読んでいないため理解が不十分になってしまっていると思う。一章を占めているテーマのベケットの作品はもともとがかなり難解そうだが、それをここまで考察できる点には素直に脱帽した。1の女、2の一体化した男、3の頭脳という図式は一見意味がわからないし、説明を読んだ後も、用語の射程が曖昧でやや強引に思える箇所もあり、真の納得には至れなかった。2024/02/28
Go Extreme
1
芸術と哲学 詩とは何か、それについて哲学は何を思考するのか? フランスの哲学者がポーランドの詩人に応答する 1つの哲学的使命―ペソアの同時代人であること 詩的弁証法―ラビード・ブン・ラビーアとマラルメ 思考のメタファーとしてのダンス 演劇に関する諸テーゼ 映画の偽の運動 存在、実存、思考―散文と概念 半獣神の哲学 2021/07/20
コバ
0
非美学とは…いくつかの芸術作品の自立した実存によって生み出される現実に哲学内的な諸効果 本書を考える上での3つの点 1:世紀 2:哲学と詩 3:マラルメ (訳者あとがきより)2022/05/21