内容説明
宗教戦争期の詩人・宗教人・知識人は、支配的理念と、いかに格闘したのか。混迷の時代に生きた詩人・歴史家のアグリッパ・ドービニェの韻文・散文作品をはじめ、デュ・ロジエ、コキーユらの著作を考証し、近世中心主義の読解を批判し、十六世紀人の心性をたどる。著者の積年の研究の集大成。
目次
1 フランス十六世紀文学と思想(大革命前後におけるフランス十六世紀文学の受容―『アナール・ポエティック』と『コレクシオン・ペラン』;シュロー・デュ・ロジエ、改宗の弁、再改宗の弁;十六世紀の世紀末悲劇『クロリンダ』 ほか)
2 ドービニェの著作をめぐって―散文篇(ドービニェの自伝をめぐって―アンボワーズ陰謀事件;『詩篇瞑想』―原典と逸脱;『サンシー殿のカトリック風懺悔』―語りと世界 ほか)
3 ドービニェの著作をめぐって―韻文篇(『ディアーヌに捧げる犠牲獣百頭』―事実と表現;『悲愴曲』初版―再版間の異本文について;ドービニェ詩の語彙をめぐって―ある「イメージ形成語群」)
著者等紹介
高橋薫[タカハシカオル]
1950年、東京都に生まれる。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程単位取得退学。中央大学名誉教授。専攻、フランス十六世紀研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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