内容説明
テクストの多義的な複数性を求めて大学の官僚主義や順応主義を逃れ、フランス思想に大きな影響を与えてきた、コスモポリタン的な教育機関である高等研究実習院で、一九六八年から一九六九年の二年間にわたって開講された「サラジーヌ」に関するセミナーの記録。六八年の歴史的な出来事が排除され、後に刊行された書物版『S/Z』とは違い、それにより道筋が変えられ、その影響が垣間見られるセミナーでは、バルトが展開した知的な作業の概観をそっくり見ることができ、バルトの創造の舞台裏が、講義から書物へ、口述から筆記への移行だけでなく、草稿からテクストへの変容の道筋が明らかになる。
目次
セミナー 1967‐1968(1968年2月8日の講義;1968年2月15日の講義;1968年2月22日の講義;1968年2月29日の講義;1968年3月7日の講義 ほか)
セミナー 1968‐1969(1968年11月21日の講義;1968年11月28日の講義;1968年12月5日の講義;1968年12月12日の講義;1968年12月19日の講義 ほか)
著者等紹介
バルト,ロラン[バルト,ロラン] [Barthes,Roland]
1915年、シェルブールに生まれる。1980年、パリにて没する。哲学者、記号学者、批評家
桑田光平[クワダコウヘイ]
1974年、広島県府中市に生まれる。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学文学博士。専攻、フランス文学・芸術論。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授
石川典子[イシカワノリコ]
1988年、千葉県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。ルーアン大学Master2課程修了。専攻、20世紀フランス文学・思想。現在、慶應義塾大学非常勤講師、法政大学兼任講師
金谷壮太[カナヤソウタ]
1981年、千葉県に生まれる。筑波大学大学院一貫制博士課程修了。博士(文学)。テンプル大学ジャパンキャンパス大学院修士課程修了。Master of Science in Education.専攻、文学理論、英語教育(TESOL)。現在、常磐大学非常勤講師
河野美奈子[コウノミナコ]
1980年、東京都に生まれる。立教大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)。専攻、20世紀フランス文学、ケベック先住民文学。現在、立教大学外国語教育研究センター教育講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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