内容説明
腐敗した政治、次々と運ばれる遺体、終わることなく倒れては起き上がる三人の失業者たち…。夢見た世界は破れ、残されたものとは…。シャモワゾーに大きな影響を与え、グリッサンの代表作『カリブ海序説』の出発点ともなった、たたみかけるようなクレオール語で綴られるカリブ海文学の歴史的・創造的原点。
著者等紹介
グリッサン,エドゥアール[グリッサン,エドゥアール] [Glissant,´Edouard]
1928年、マルティニックのブゾダンに生まれ、2011年、パリに没した。作家。カリブ海文化圏を代表するフランス語の書き手ならびに来たるべき世界を構想した思想家として、没後も依然として世界的注目を浴びている
星埜守之[ホシノモリユキ]
1958年、米国ペンシルヴァニア州に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、東京大学教授。専攻、二十世紀フランス文学、フランス語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中海
2
多分読むのは2冊目なんだが、理解できない作品なんだけど、読んだ後もずっときになる存在だった。(痕跡)今回も本質はきっと理解できないんだろうな、と感じながらも、ピアノの滑らかな旋律を聴いているようで、不思議とイライラしないんだよなー。ちょい調べてみたら、現在でもマルティニーク諸島はフランスの植民地であって、世界一自立しているみたいな雰囲気出しときながら実際は……、ってところのもやつきが根っこにあるんだろうな。2024/03/26
moti moti
0
グリッサンの小説は「レザルド川」「第四世紀」「痕跡」に続き4冊目。しかし、この小説は全く理解出来なかった。完全に「こういうのが好きな人だけ読んで下さい。」と言う感じの小説だと思う。歴史の名の下に分かりやすく要約されることを拒否する複雑な現実といった感じなのだろうか。内容を理解することを放棄してとりあえず最後まで字を追ったが、まあ、苦痛な読書だった。2023/03/13