内容説明
90年代から日本でも盛んに紹介され、グローバル化の浸透しきった昨今において私たちの現実に働きかける潜在力を秘めるクレオール文学・思想を、いま改めて読み直し、俯瞰する!文献目録・年表・フランス語圏作家小事典を収録。
目次
1 ネグリチュードから群島的思考へ(問いとしての世界、解決としての世界;エドゥアール・グリッサンと作家の規範;あらゆる島が呼びかけ/あらゆる島は寡である―エメ・セゼールの想像の地理学;叫びと揺れの思想―エメ・セゼールにおける共鳴の詩学;エメ・セゼールを読むエドゥアール・グリッサン―受容の詩学;エドゥアール・グリッサンとともに、エメ・セゼールを読み返す;エドゥアール・グリッサンにおける群島的思考;遠漂浪(とおざれ)きの魂、震える群島)
2 クレオール文学の翻訳=創作(「クレオール文学」を翻訳する―『テキサコ』から;クレオール文学を翻訳する;四本の手で書くこと―マリーズ・コンデとシモーヌ・シュヴァルツ=バルトそれぞれの共作をめぐって)
3 クレオールとの出会い(ブッキッシュなクレオール―富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書の書き込み調査から;マルティニクとシュルレアリスム―「クレオールの対話」とセゼールとの出会いをめぐって;〈クラッシュ〉の詩学―ミシェル・レリスとアンティル諸島;J・M・G・ル・クレジオの〈エクリチュール‐世界〉;レオノーラ・ミアノとアフロディアスポラ)
4 クレオール的文化(カリブ海の食文化、トウガラシ・鱈・砂糖―ローカルとグローバルの間で;ハイチの複数の声―アラン・ローマックス、マヤ・デレンによるフィールド録音をめぐって;痕跡からの創造―グリッサンの詩学とマルティニクの音楽)
5 日本とクレオール(仏領西インドから極東の日本列島へ―その足跡と評価;バロックの渦としてのカリブ的思考;「世界史の臨界」に浮上したクレオール―バタイユ、グリッサン、ルジャンドル)
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