内容説明
好色、残忍、妄誕、荒唐無稽と、近代からの批判に曝された歌舞伎に深く魅せられ、その衰退を押し止めるべく、歌舞伎劇の“型の記録”“型の保存”に邁進しながら、若くして逝った劇評家、編集者の生涯と仕事を克明に描き出す初の評伝。
目次
プロローグ
第1章 幼少時代―芝居との出会い
第2章 予科時代―兄と文学に熱中
第3章 大学入学―ドイツへの手紙
第4章 翻訳で兄と文壇デビュー―〓外の活動はじまる
第5章 『しがらみ草紙』に奔走―大学卒業まで
第6章 近代劇評の萌芽―混乱する劇評
第7章 『歌舞伎新報』の編集者に―新派の勃興
第8章 『めさまし草』で活躍―内科医開業
第9章 『歌舞伎』創刊―小山内薫を見出す
第10章 型への執念―団菊の死と歌舞伎の危機
終章 晩年―〓外復活