出版社内容情報
フランス美術界で創出され、文化史上のトピックとなった〈ニグロ芸術〉。間大陸的な文化摩擦を被ってきたこの概念は一方で、ハーレム・ルネサンスやネグリチュードといった黒人文化運動において自らのアイデンティティを示す「抵抗のための武器」にもなりえた……。同時代の文脈から諸言説を読み解き、支配と抵抗の歴史を反省的に再構築する。
柳沢史明[ヤナギサワフミアキ]
著・文・その他
内容説明
フランス美術界で創出され、文化史上のトピックとなった“ニグロ芸術”。間大陸的な文化摩擦を被ってきたこの概念は一方で、ハーレム・ルネサンスやネグリチュードといった黒人文化運動において自らのアイデンティティを示す「抵抗のための武器」にもなりえた…。同時代の文脈から諸言説を読み解き、支配と抵抗の歴史を反省的に再構築する。
目次
思想文化史のなかの「ニグロ芸術」
第1部 「ニグロ芸術」の創出と変化(「未開芸術」と西欧文明;「ニグロ(芸術)」を語る主体)
第2部 「古さ」と「新しさ」をめぐる言説(古さと起源;人種理論における芸術と黒人―エリー・フォールによるゴビノー解釈;植民地行政と「新しいニグロ芸術」―ジョルジュ・アルディ ほか)
第3部 同意と拒絶をめぐる言説(ハーレム・ルネサンスにおけるアフリカ芸術;アメリカからフランス領植民地地域へ―伝播する「リズム」;サンゴールにおける「ニグロの魂」と「ニグロ芸術」 ほか)
「未開芸術」の再考へ向けて
著者等紹介
柳沢史明[ヤナギサワフミアキ]
1979年、長野県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院助教。専攻は、美学芸術学、近現代芸術史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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