ポスト〈3・11〉小説論 - 遅い暴力に抗する人新世の思想

個数:

ポスト〈3・11〉小説論 - 遅い暴力に抗する人新世の思想

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年09月07日 08時04分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 398p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784801003293
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

めぐりくる〈3・11〉その先へ
東日本大震災に触発され書かれた小説(「神様2011」、「還れぬ家」、「献灯使」、「東京自叙伝」、「さよならクリストファー・ロビン」等々)を天災と人災が不可分になった人新世の時代の文学として、ジェーン・ベネット、ティモシー・モートンらに言及しつつ環境批評の視点から読み解く。

【目次】
はじめに 人新世の文学

第一章 ポスト3・11小説、その概要と展望
1 ポスト〈3・11〉
2 ポスト〈3・11〉小説と環境批評
3 先行研究
4 ポスト〈3・11〉小説の出版と意義

第二章 人新世の批評理論としての物質的環境批評
1 無人間論的転換における新物質主義――『躍動するモノ』とジェーン・ベネット
2 生気物質論はいかなる解釈を導くか――物質的共感の世界
3 エージェンシーの問題
4 津波のエージェンシー
5 物質志向の存在論――ティモシー・モートンの環境批評
6 存在論の岐路――物質志向の存在論と生気物質論
7 生命記号論の展開
8 ポストモダン環境批評の展開
9 動物論
10 ポスト3・11小説と物質的環境批評

第三章 震災に揺れる「私」の世界
1 震災が生んだ語りの断層――椎名誠「かいじゅうたちがやってきた」と佐伯一麦『還れぬ家』
2 揺らぐ語りの秩序――大江健三郎『晩年様式集』
3 原発事故を起こした「私」たち――奥泉光『東京自叙伝』

第四章 震災によって揺らぐ「動物」と「人間」の境界
  ――ポスト3・11小説における熊
1 くまが人間らしく振舞うこと――川上弘美「神様 2011」
2 揺れが結ぶ人間とヒグマ――津島佑子「ヒグマの静かな海」
3 池澤夏樹『双頭の船』における動物の三様態(野生、家畜、ペット)
4 エネルギーのエージェンシーと古川日出男『冬眠する熊に添い寝してごらん』

第五章 ポストモダンから人新世の小説へ
1 高橋源一郎『さよならクリストファー・ロビン』と東日本大震災
2 環境と身体を繋ぐ環境批評的な小説――多和田葉子『献灯使』
3 ポストモダン後の世界へ――古川日出男『あるいは修羅の十億年』

第六章 東日本大震災とポストコロニアル小説
1 古川日出男『ドッグマザー』
2 東北の潜在性と木村友祐『イサの氾濫』
3 資源の簒奪と汚染――津島佑子「半減期を祝って」
4 古川日出男『女たち三百人の裏切りの書』

第七章 時を動かすモノ――ルース・オゼキ『ある時の物語』
1 津波の力――瓦礫とゴミ
2 メタファーとしての東日本大震災、津波、放射能
3 作家の仕事――消えた言葉はどこへ行くのか
4 動物たち
5 消えた人々に出会う

第八章 地球、人間、そして新しい「私」
  ――人新世文学としての川上弘美『大きな鳥にさらわれぬよう』
1 「神様2011」からの変奏
2 人間は「私」を超えられるか
3 ポスト人間、あるいは世界の人間化――ハラウェイ、ヘイルズ、ハイザから川上へ
4 わたし(母)たち
5 生気物質論と新しい人間

おわりに 「遅い」小説に何が出来るか


ポスト3・11小説リスト
参考文献

あとがき

【著者について】
芳賀浩一(はがこういち)
1970年,宮城県に生まれる。カリフォルニア大学ロサンゼルス校にてPhD.取得。現在、城西国際大学国際人文学部准教授。専攻、批評理論、比較文学。主な著書に、『文学から環境を考えるーーエコクリティシズム・ガイドブック(共著、勉誠出版、2014年)、Ecocriticism in Japan(共著、Lexington Books,2017)、『エコクリテシズムの波を超えてーー人新世の地球を生きる』(共著、音羽書房鶴見書店、2017年)などがある。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たろーたん

0
「メディアにおける文化的な表象」「外部の亡くなった虚無的世界における希望としての死者の存在」「東日本大震災による「私」という一人称の脱構築であり多様性の発露」「言語を持つゆえに自らを特権化した近代の人間は、地震、津波、原発事故の複合災害を前に言葉を失って初めて動物との、そしてモノとの対話が可能に鉈のかもしれない」2024/09/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12979323
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。